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令和 3年 2月定例会本会議-03月01日-04号

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  1. 長野県議会 2021-03-01
    令和 3年 2月定例会本会議-03月01日-04号


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    令和 3年 2月定例会本会議-03月01日-04号令和 3年 2月定例会本会議 令和3年3月1日(月曜日)  出席議員(56名)   1 番 熊谷元尋    28 番 中川宏昌   2 番 望月義寿    29 番 清水純子   3 番 小林君男    30 番 小池久長   4 番 清水正康    31 番 酒井 茂   5 番 加藤康治    32 番 堀内孝人   6 番 川上信彦    33 番 石和 大   7 番 山田英喜    34 番 依田明善   8 番 大井岳夫    35 番 山岸喜昭   9 番 丸茂岳人    36 番 小島康晴   10 番 寺沢功希    37 番 小林東一郎   11 番 花岡賢一    38 番 毛利栄子   12 番 池田 清    39 番 和田明子   14 番 山口典久    40 番 諏訪光昭   15 番 小山仁志    41 番 丸山栄一   16 番 竹内正美    42 番 小池 清   17 番 竹花美幸    43 番 宮本衡司   18 番 宮下克彦    44 番 清沢英男
      19 番 大畑俊隆    45 番 垣内基良   20 番 共田武史    46 番 鈴木 清   21 番 丸山大輔    47 番 高村京子   22 番 髙島陽子    48 番 宮澤敏文   23 番 荒井武志    49 番 西沢正隆   24 番 埋橋茂人    50 番 風間辰一   25 番 続木幹夫    51 番 佐々木祥二   26 番 中川博司    52 番 向山公人   27 番 両角友成    53 番 平野成基   54 番 本郷一彦    56 番 服部宏昭   55 番 萩原 清    57 番 望月雄内         ─────────────────── 説明のため出席した者   知事        阿部守一     林務部長      井出英治   副知事       太田 寛     建設部長      田下昌志   副知事       小岩正貴     公営企業管理者   小林 透   危機管理部長    竹内善彦     企業局長事務取扱   企画振興部長    伊藤一紀     財政課長      矢後雅司   総務部長      関 昇一郎    教育長       原山隆一   県民文化部長    増田隆志     警察本部長     安田浩己   健康福祉部長    土屋智則     警務部長      來山信康   環境部長      猿田吉秀     監査委員      田口敏子   産業労働部長    林 宏行   観光部長      中村正人         ─────────────────── 職務のため出席した事務局職員   事務局長      小山 聡    議事課課長補佐   小山雅史   議事課長      百瀬秀樹    兼委員会係長   議事課企画幹兼   丸山俊樹    議事課主事     松橋高志   課長補佐              総務課課長補佐   川村亜由美                     兼庶務係長                     総務課担当係長   青木武文                     総務課主事     宮坂祐輝         ───────────────────  令和3年3月1日(月曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    各委員長の報告案件      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑    各委員長の報告案件         午前10時開議 ○議長(小池清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑並びに各委員長の報告案件についてであります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(小池清 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、竹花美幸議員。       〔17番竹花美幸君登壇〕 ◆17番(竹花美幸 君)皆様、おはようございます。これからの低未利用地の活用についてから始めさせていただきます。  少子高齢化、人口減少社会の進展や大都市圏への一極集中の解消を目指し、国は、平成27年7月に国土のグランドデザイン2050を策定し、コンパクトプラスネットワークの推進を掲げています。この中で提唱されているコンパクトシティーは、立地適正化計画を策定し、国土の細胞としての小さな拠点と高次地方都市連合の構築を目指し、これからの人口減少社会に適応することとされています。  しかしながら、現実的にコンパクトシティー実現へ向けて積極的に取り組んで成果を挙げている自治体は県下においても少なく、スプロール的に郊外へ大型商業施設を誘致したり、農地転用による区画整理事業など、相変わらず人口増を前提とした経済活動による20世紀型のまちづくりを行おうとしている自治体も多いです。このため、既存市街地のいわゆるスポンジ化が進み、既存商店街はシャッター街化し、空き地は増加の一途をたどり、低利用地の象徴とも言われる青空駐車場化など、中心市街地の活性化には程遠い現実が見られています。  また、国においては、平成29年に都市緑地法等の改正を行い、都市公園内に保育所や民間事業者による収益施設を認めたり、緑の担い手として民間主体を指定する制度を拡充したり、居心地のよいまちづくりに向けての法改正を行ってきたところです。  そこで、これからの低未利用地の活用について、3点、田下建設部長にお伺いいたします。  まず1点目です。こうした都市部の中にあって、いわゆる低未利用地、駐車場、空き家等はスポンジ化と言われるゆえんであると考えます。都市部において土地が低未利用地となる要因を明らかにし、対策を講じていく必要があると考えますが、県内の低未利用地の現状をどのように把握していらっしゃるのでしょうか。  2点目は、低未利用地の割合は全国と比較してどうでしょうか。また、それをどのように評価していらっしゃるのでしょうか。  3点目は、居心地のよいまちづくりや町の活性化には、いかに低未利用地を有効に活用していくのかが重要であると考えます。具体的な解決策の展望についてお伺いさせていただきます。  続いては、空き家対策についてです。  我が国は、2008年を境に人口減少局面に突入し、都市部への一極集中が進み、不均衡な国土を形成しつつあり、地方創生が叫ばれて久しいですが、その状況は今日もなお続いている状況です。大都市部においてはタワーマンションが林立し、現在も新築が続いています。片や地方部においては、高齢化の進展とともにあるじのいない空き家が増加しつつあるのは周知のとおりです。  国では、平成26年に空き家対策の推進に関する特別措置法が成立いたしました。この法律によれば、自治体は空き家対策の協議会を組織し、実態把握、データベース等の整備、対策計画の策定とともに、特定空き家等の措置の促進をすることとされています。特定空き家とは、そのまま放置すれば、倒壊等保安上の危険、著しく衛生上有害、著しく景観を損ねている状態のものであり、指定されると、行政から撤去、修繕に関する助言、指導、勧告、命令、代執行が可能となります。  しかしながら、こうした対策の根底で、空き家を資産価値とみなさず、あくまでも迷惑物として見ているところにこの法律の根本的な問題があるのではないでしょうか。国土交通省のホームページで調べてみますと、平成27年度から令和元年度の5年間に市町村の取組によって除却された管理不全の空き家は全国で7万7,921件、特定空き家は1万1,887件で、合わせて8万9,808件となっています。一方で、建築着工統計調査によりますと、過去5年間で全国において年平均93万戸もの住宅が新設されています。こうした状況から、我が国の空き家全体の数はいまだに増加の一途をたどっているものと言わざるを得ません。  もともと我が国の住家は木造建築が主体であり、温帯モンスーンの厳しい気候風土にさらされ、地震、風水害などで被害を受けることも多く、耐用年数が少ないとされ、ヨーロッパのように何百年も住み続けるといった発想が低く、国民性の違いによるところも大きいのですが、こうした状況が続く限りサステーナブルな住環境の実現は極めて困難であります。  住環境施策については、造り続けることから、今あるものをどのように生かしていくのか、今あるものの有効活用を目指した施策へとパラダイムシフトしていかなければ、持続可能な未来を築くためのSDGsの実現は程遠いのではないかと考えます。  そこで、空き家対策について4点お伺いさせていただきます。  まず3点を田下建設部長にお願いいたします。  1点目です。空き家については、これまでに幾つかの相談をお受けしたことがございますが、空き家所有者には、先祖伝来の資産や御両親が長年住んだ住みかを手放したくないといった感情など、精神的な面で譲渡をためらう方も多いように思われます。こうした方々に関するカウンセリングや譲渡を打診できるスタッフ等の育成、また、譲渡に関するインセンティブなども重要な事項の一つではないかと考えます。空き家の予防対策に取り組んでいる市町村の好事例があればお聞かせ願いたいと存じます。また、空き家対策に取り組む市町村に対して支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。  2点目は、空き家や中古住宅の流通を促進するためには、リフォームやリノベーションによる居住環境の向上や見えない瑕疵への対応が必要と考えますが、流通市場の信頼性の確立や品質確保のために県としてどのような取組を行っているのでしょうか。  3点目は、空き家の利用を促進するためには、単に除却するという発想から、社会的資産として積極的に利活用するための施策が必要であり、空き家の改修等への支援が有効と考えますが、いかがでしょうか。  4点目は、伊藤企画振興部長にお伺いいたします。  首都圏を中心に地方への移住や2地域居住へのニーズが高まっております。人口減少対策を進める県及び県内市町村にとってはまたとない好機ともなっているのではないでしょうか。また、国が目指す一極集中の是正を実現するためには、この数年間が極めて重要な時期になるのではないかと考えます。  そこで、空き家対策の一つの手段として運営されている、県の空き家バンクの利用状況はいかがでしょうか。また、空き家バンクは移住対策としても有効であるため、地方への移住を促進するためにもさらに活用が進むよう取り組んでいくべきと考えますが、いかがでしょうか。  続いては、これからのまちづくりについてです。  長野県の森林は、県土の約8割を占めています。森林面積は約106万ヘクタールであり、北海道、岩手県に次いで全国3番目の面積を有しています。それゆえ、緑が豊かで自然が美しい長野のイメージが大きいと思います。しかしながら、長野県の都市部には緑が少ないと言われています。なぜでしょう。  DID地区当たりの都市公園面積は2.7%、何と全国34位と意外と低いのです。要因としては、周りに緑が豊富で、町なかに公園が必要との認識が低いこと、非戦災都市が多く、計画的な都市計画事業に基づく町並みの整備が行われてこなかったことなど様々な要因が考えられると思います。やはり居心地のよい、にぎわいのある町なかをつくるためには、こうした都市公園の設置は必要不可欠であると考えます。  国では、平成29年度に、市民緑地認定制度として民間主体で公園整備に取り組める補助制度を創設しました。個人所有地、空き地等民有地を有効活用し、民間の力により地域住民の活動の場となる公的な機能を有する緑地空間、いわゆるオープンスペースを創設する制度です。その対象外である小規模な空間を対象に、県ではまちなかの緑地整備事業を創設し、整備に努めているところです。  そこで、これからのまちづくりについて2点お伺いしたいと存じます。  まず1点目です。民間主体が空き地等を公園的な空間に整備する取組を促進するために創設された国の補助制度、市民緑地認定制度を補完する形で県が創設したまちなかの緑地整備事業については十分に活用されていないようでありますが、原因をどのように分析していらっしゃるでしょうか。また、今後、活用が促進されるための取組についてどのように考えておられるのか、田下建設部長にお伺いいたします。  2点目は、阿部知事にお伺いさせていただきたいと存じます。  阿部知事は、かつて横浜市の副市長として大都市部のまちづくりに関わってきた経過がございます。長野県知事として御就任から10年が経過いたしておりますが、人口減少が止まらない中で、小規模町村が多い本県では今後どのようなことに重点を置いてまちづくり施策を行うべきとお考えか、お伺いいたします。  続いては、台風第19号災害復旧事業を踏まえた今後の円滑な事業の執行についてです。  冬期間のお寒い中、災害復旧工事を行っていただいております建設業者の皆様に、まずもって心より敬意と感謝を申し上げたいと存じます。  先日、地域の建設業者の皆様と意見交換をする機会がございました。ある会社経営者の話によれば、台風第19号災害復旧事業において、特に、林務部所管の森林土木工事は採算が合わない。不落にするわけにはいかないから、半ばボランティア精神で応札しているということでありました。仕事をボランティア精神でお請けいただいているとはどういうことなのか、よくお聞きしてみました。確かに、小規模な現場においては、遠方より生コンやその他の建設資材を小型車で運び込み、急峻な地形の現場においては重機の搬入すらままならず、人力作業で行うことも多々あるということであります。一歩間違えれば命の危険にも関わる作業になります。こうした状況が続けば、公共事業の受注によってかえって受注業者の体力が奪われるだけでなく、持続可能な経営も危ぶまれる状況が危惧されます。  災害を未然に防ぎ、災害に強いレジリエントな社会を構築するためには、森林土木工事は極めて重要です。やはり公共事業を担うからには、適正な工期の設定はもとより、安全かつ円滑な施工、良好な品質の確保、そして、適正な利潤を出すための予定価格の設定は必要不可欠であります。今後は、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策事業が始まります。課題を整理し、強靱な県土づくりに向けて、さらに力強く歩みを進めていかなければなりません。  そこで、台風第19号災害復旧事業を踏まえた今後の円滑な事業について3点お伺いたします。  まず1点目です。一昨年の台風第19号の災害復旧事業において、県発注案件において不調及び不落の割合はどのくらいでしょうか。また、応札者数は通常の事業と比べてどうであったのか、田下建設部長にお伺いいたします。  2点目は、災害を未然に防ぐために森林土木工事は大変重要です。山間地の災害復旧における森林土木工事の入札不調、不落の原因及び解決策についてどのように考えていらっしゃるのか、井出林務部長にお伺いさせていただきます。  3点目は、令和3年度から防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策事業が開始されます。一昨年の台風第19号災害の経験を踏まえ、適正な予定価格の設定など、円滑な事業執行のためどのような方策を考えておられるのか、田下建設部長にお伺いさせていただきます。  続いては、新型コロナウイルス感染症対策、COVID-19についてです。  新型コロナウイルス感染症については、発生以来、多くの患者が生じ、健康を損なうとともに、医療提供体制に大きな負荷を及ぼしているほか、国民全体が感染防止対策の徹底を求められるなど、国民生活に大きな影響を与えています。  長野県においては、長野県新型コロナウイルス感染症等対策条例に基づき、地域を細分化して県内独自の感染警戒レベルの発動、医療非常事態宣言等により県民に注意喚起を促し、感染対策を取ることに一定の効果が出ていると思います。  国においては、新型コロナ特措法、感染症法が改正され、さらには新型コロナウイルスワクチンがいよいよ接種開始となり、収束への期待が高まってまいりました。生命、健康を損なうリスクの軽減や医療への負荷の軽減、社会経済の安定につながることから、令和3年前半までに全国民にワクチンを提供できる体制を目指すとされています。しかしながら、日々状況が変化しており、乗り越えるべき課題が多くあります。県内77市町村が同時に万全な体制で取り組めるようしっかりと支援をしていく必要があります。  そこで、まずは新型コロナ特措法の改正について阿部知事にお伺いさせていただきたいと存じます。  新型コロナウイルス対策の実効性を高めるために、新たに罰則を導入する改正特別措置法と改正感染症法が成立いたしました。知事の権限が強化され、一定の効果が望めると思いますが、行政罰が導入されたことを知事はどのようにお考えでしょうか。また、行政罰を科すまでの手続の過程をどう想定していらっしゃるのか、お伺いいたします。  次は、医療体制についてです。まずは土屋健康福祉部長にお伺いいたします。  長野県においては、昨年の2月から10月は感染者343名の20%に当たる69名が60代以上、11月以降においては1,971名のうち60代以上の方が583名と上昇し、30%を占めております。知事は、どうしても高齢者や基礎疾患のある方の重症化リスクが高いことが死亡者増に表れていると記者会見でお話しされました。  入院待ちの療養待機中の感染者が亡くなられた事例が県外で発生しています。重症化してから入院しても、医療現場の負荷が増えます。待機中、軽症段階の治療で重症化が防げればベストだと考えますが、特に初期段階での対応、高齢者や基礎疾患のある方を重症化させない取組をどのように行っていくのでしょうか。  さらに、厚労省では、自宅療養における健康観察の際のパルスオキシメーターの活用について示しており、都道府県においてパルスオキシメーターを積極的に活用するよう要請しております。
     新型コロナウイルス感染症は、状態を把握する指標として、酸素飽和度、SpO2、サチュレーションが非常に重要と言われております。自宅療養者等はもちろんのこと、高齢者や基礎疾患をお持ちの皆様には、重症化を未然に防ぐための全身管理の一つとして有効と考えます。パルスオキシメーターがどのように活用されているのか、パルスオキシメーターの配付など活用状況についてお伺いいたします。  続いては、ワクチン接種について5点お伺いさせていただきます。  まず1点目です。長野県ワクチン接種体制整備室が始動し、小岩副知事が統括するワクチンチームも設置されました。一般向けに先立ち、先行接種が始まり、約6万人の医療従事者の皆様への優先接種もいよいよ始まる予定です。  一般県民向け接種については、その実施主体は市町村になりますが、ワクチン接種体制については、ファイザー製のワクチンは約1,000回、195バイアル、975回を最小単位として流通するので、国は、10日間で約1,000回分を使い切るための体制の構築を求めています。  県内77市町村では、財政力やマンパワー、医療体制などに大きな差があります。県内どこに住んでいても同時期に等しく安全にワクチン接種ができるよう支援することが県の重要な役割と考えます。  そこで、ワクチン接種体制の整備状況はいかがでしょうか。また、新型コロナウイルス感染症の収束に明るい展望が持てるようしっかりとやり遂げてほしいと思いますが、リーダーである小岩副知事の意気込みをお伺いいたします。  続いて4点は、土屋健康福祉部長、お願いいたします。  2点目です。ワクチンについては、その安全性について不安を持つ方も多くいらっしゃいます。ワクチンの特徴として、ファイザー製はマイナス75度C前後、モデルナ製はマイナス20度C前後、アストラゼネカ製は2度から8度での保管、管理が必要と言われています。国からワクチン保管用のディープフリーザー、超低温冷凍庫が配分され始めましたが、ワクチンの輸送や保管、管理はどのように行っていくのでしょうか。  3点目は、県民の皆様が安全に安心してワクチンを接種するためには、分かりやすいシステムが必要です。特に、ワクチンは、2回接種の安全性がどのように管理されているのか懸念されます。現在のところ、エビデンスは2回接種です。接種状況の把握については、国では新たなシステムを構築し、リアルタイムでの接種状況の把握を目指しています。リアルタイムでの接種回数の把握については、確実に2回接種を行うためにも必要であると考えます。しかしながら、マイナンバーや既存の予防接種台帳との連携、接種状況の把握などには不透明な部分があります。管理システムの構築、V-SYS、ワクチン接種円滑化システムの導入やマイナンバーを活用したワクチン情報の一元管理などはどのように進んでいるのでしょうか。  4点目は、新型コロナウイルスワクチンの接種は、予防接種法に基づく臨時接種の特例として、国の指示の下、都道府県が協力し、市町村が主体となって実施します。費用は国負担です。新型コロナウイルス感染症を収束させていくためには、ワクチンの有効性と安全性が広く認識され、ワクチン接種率を高めていくことが何よりも重要です。ワクチン接種率を考える上で基礎となるのが、集団免疫という考え方であり、集団免疫獲得には接種率を高める必要があります。そのための周知、広報をどのように行っていくのでしょうか。  5点目は、新型コロナウイルスワクチンについては、ファイザー製のワクチンが現在特例承認されておりますが、副反応などをはじめ、県民の皆様からの接種についての御相談やお問合せが今後多くなることが予測されます。  国においては、2月15日に厚労省新型コロナワクチンコールセンターが開設されました。県においては、市町村では対応が困難な専門的な相談窓口体制が必要であると考えますが、いかがでしょうか。さらに、医師や看護師等接種事業に必要な人材確保等、市町村に対して様々な支援が必要であると考えますが、いかがでしょうか。  続いては、経済対策について3点お伺いいたします。  まず1点目です。昨年末からの感染拡大とGo To トラベル停止の影響により、旅館、ホテルは休業や部分営業せざるを得ず、経営は深刻な状況となっています。この状況改善に向け、感染状況が落ち着いた地域からの来客を誘導することなど県独自の誘客事業の実施も考える必要がありますが、今後の取組についてお伺いいたします。  また、事業活動が困難になっている観光農園や土産物店、旅行業者、交通事業者への支援についてはどのように考えていらっしゃるのか、中村観光部長にお伺いいたします。  2点目は、現在、感染状況は比較的落ち着いておりますが、新型コロナウイルス感染症がなくなったわけではありません。感染対策をしっかり講じて頑張って営業を続けておられる飲食店も数多くあります。ウィズコロナの時代に頑張っている飲食店を県としてどのように応援していくのか、林産業労働部長にお伺いいたします。  3点目は、感染警戒レベル5であるにもかかわらず、飲食店の休業要請が一部エリアに限られ、協力金の有無などで事業者から不公平であるとの声が大変多く寄せられました。事業者の皆様には、感染抑止を目的としたエリア指定に御理解を示していただいたものの、レベル5のエリアではどの地域も往来が極端に減少し、事業活動の困難さに変わりはなく、苦しみは同様でした。  自民党県議団の県要望により、特別警報Ⅱ発出市町村飲食業等支援交付金が専決処分され、エリア外の事業者の皆様への支援に道筋がついたことに感謝を申し上げますが、今回の経験を踏まえ、今後は、線を引くのではなく、ルールづくりが必要と思います。県民の皆様は、納得できなければ行動に移さないと思います。感染拡大防止のために飲食店に対して行う時短営業や休業の要請を行うエリアの指定については、地域の実情等に配慮して行うべきと考えますが、県のエリア指定の考え方について竹内危機管理部長にお伺いいたします。  以上5項目について明確な答弁をよろしくお願い申し上げます。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)順次お答えいたします。まず、低未利用地関係でございます。  最初に、県内の低未利用地の現状についてのお尋ねでございます。  低未利用地は、モータリゼーションの進展により、駅周辺等の中心部から郊外へ市街地が低密度に拡大することや、社会情勢の変化に伴う新たな開発計画の減少により発生するもので、特に個人所有の低未利用地の増加が問題視されております。  この低未利用地は、屋外駐車場、資材置場等が含まれており、その現状は、国が5年ごとに実施しております世帯土地統計により把握しているところで、平成30年における本県の個人所有の宅地約347平方キロメートルのうち、低未利用地は約55平方キロメートル、割合で約16%となっております。  次に、低未利用地の全国比較とその評価についてのお尋ねでございます。  先ほどの統計によると、全国においては、個人が所有する低未利用地は平成25年から平成30年の5年間で1,413平方キロメートルから1,751平方キロメートルへと約1.2倍となっており、今後さらに増加すると見込まれております。平成30年時点で、この低未利用地は三大都市圏より地方圏に多く、その割合は、全国で約16%、三大都市圏で約11%、地方圏で約18%となっております。本県は、先ほど申し上げた約16%であり、全国平均と同程度となっております。これからは、人口減少による世帯数の減少に加え、郊外における需要もまだ高いことから、本県においても全国の傾向と同様に低未利用地が増加するものと考えております。  次に、低未利用地の具体的な解決策についてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、低未利用地が散発的に発生する都市のスポンジ化は、生活利便性の低下、治安、景観等の悪化を引き起こし、地域の魅力や価値を低下させ、さらにスポンジ化を進行させるという悪循環を生み出します。  このような都市のスポンジ化による負の連鎖を断ち切るためにも、立地適正化計画等により緩やかな規制を加えながらコンパクトな町を目指す中で、病院などの公共施設や商業施設を都市の中心部に集約するとともに、複数の非効率的な低未利用地を使いやすい土地に統合再編するなど、国の制度を十分に活用しながら市町村の取組を支援してまいります。  そのためには、都市計画区域を指定している44市町村のうち立地適正化計画を策定している市町村は14市町にとどまっている状況を踏まえ、県が設置している立地適正化計画策定に係る情報交換会等を通して、まずは市町村が計画策定を早期に進められるよう促してまいります。  次に、空き家の関係でございます。  最初に、空き家の予防対策における市町村の取組及び支援についてのお尋ねでございます。  居住者が将来の活用や除却等の方針をあらかじめ決めておくことが空き家の抑制に極めて重要であり、この予防的な取組を推し進めることが喫緊の課題と認識しております。  参考となる市町村の好事例の取組といたしましては、長野市の空き家の問題点、活用方法等の連続講座、筑北村の家の相続に関する勉強会など、住民への直接的な啓発により、空き家問題を我が事とし、今後の活用等の検討を促す取組を行っている自治体がございます。  県では、市町村が行う空き家対策の勉強会や相談会などに建築士や司法書士などの専門家を派遣し、取組を支援しているところでございます。また、市町村と関係団体で構成する空き家対策地域連絡会において、優良事例の情報発信など引き続き市町村を支援してまいりたいと考えております。  次に、空き家や中古住宅の流通市場の信頼性の確立と品質確保の取組についてのお尋ねでございます。  平成27年度住まいに関する県民アンケートによると、中古住宅を希望しない理由として、見えない部分の状態に不安があるとの回答が約4割と最も多く、中古住宅の購入は、経年劣化や瑕疵によるリスクから不安を感じている方が多いと考えられます。  そこで、県では、劣化状況等の調査を行うインスペクション、既存住宅現況検査等や、売買後のリスクと不安を解消する既存住宅売買瑕疵保険の費用の一部を支援し、中古住宅の流通促進を図っているところです。  さらに、国では、インスペクションに加えて、耐震性がありリフォームなどの情報提供が行われた中古住宅を扱う団体に「安心R住宅」の標章の使用を認める制度を関係団体と連携して平成30年度からスタートさせており、県も国とともに本制度の普及に努めてまいります。引き続き関係団体と連携し、制度の周知を図り、中古住宅の流通市場の信頼性の構築と流通促進を進めてまいります。  次に、空き家の改修等への支援についてのお尋ねでございます。  空き家など既存ストックは、長く住み継ぐことで建設解体を減らすことによる環境負荷の低減や、新たな住民の流入による地域コミュニティーの活性化など、社会的資産として利活用を進めていく必要性を認識しております。  令和元年度第2回県政モニター調査によると、条件によっては中古住宅でもよいとの回答が約7割となっており、県民意識としても中古住宅の潜在的なニーズは高いものと考えております。  これまで、県では、空き家の購入者が省エネルギー改修等を行う場合、環境配慮型住宅助成金(リフォームタイプ)により、改修に対する支援をしてきたところです。また、古民家の持つ価値や魅力を生かし、活用を図るために、令和元年度に古民家等活用マニュアルを策定、本年度は長野県古民家再生協議会を設置し、古民家の調査と再生提案を始めたところです。さらに、令和3年度には、2050ゼロカーボンの実現も考慮し、既存ストックの状況に応じた断熱改修手法の提示や支援策の検討を行うこととしており、良質な社会的資産の構築と活用の推進に向け、さらに積極的な取組を進めてまいります。  次に、まちづくりの関係でございます。まちなかの緑地整備事業の活用状況とその活用促進についてのお尋ねでございます。  まちなかの緑地整備事業は、都市緑化信州フェアを契機として、市街地において花や緑に親しめる緑地の創出を推進するため、市町村や民間主体が行う小規模な緑地整備に対して森林づくり県民税を活用した補助制度で、平成30年度に創設しております。  本事業の活用は、3年間で3市、7件にとどまっている状況で、活用が進まない理由としては、緑の存在価値が地域の皆様に十分浸透してないことや緑地の維持管理の難しさなどが考えられます。  今後の活用促進につきましては、現在、町なかへの緑の導入を推進するため、まちなかグリーンインフラ推進計画を、有識者の御意見をお聞きしながら年度内策定を目指し、検討している状況です。  グリーンインフラは、気候変動の緩和や防災機能、町の魅力向上など多様な機能を有していることから、本計画を広く周知することにより都市緑化の機運醸成を図り、住民の皆様による緑地の維持管理を促す中で、本事業の活用を通じて町なかの緑を増やす取組を促進してまいりたいと考えております。  次に、公共事業の執行関係でございます。  初めに、台風第19号災害復旧関係事業の不調、不落等に関するお尋ねでございます。  台風第19号災害復旧関係事業における県発注案件の不調、不落の割合でございますが、発注件数の多い建設部と林務部について申し上げますが、建設部では14.9%、林務部では28.6%となっており、近年10%前後で推移していた発生率を上回っている状況となっております。  また、災害復旧関係事業における応札者数の状況は、建設部、林務部合わせて平均2.4者となっており、比較的災害が少なかった平成30年度の7.5者と比べ、少ない状況となっております。  不調、不落の要因でございますが、令和元年の台風第19号災害のような大規模災害時には、工事量が急激に増加いたします。このため、需給の逼迫により労働力や資機材等の調達環境に変化が生じ、県の積算と実勢価格との乖離や特定地域における技術者不足を要因として、遠隔地や手間のかかる工事などへの参加を手控え、不調、不落が発生するものと分析しております。  最後に、5か年加速化対策の円滑な事業執行についてのお尋ねでございます。  県では、実勢価格を反映した最新の労務単価等を使用し、適正に予定価格を算出するとともに、地域内で労働者や資材等が確保できない場合には、遠方から調達する費用についても実績で変更計上できる取組を行ってきているところです。  また、調達環境の変化により、発注者の積算との乖離が原因で不調、不落となる工事においては、見積りを徴取して予定価格を算出するよう本年1月より取組を始めております。  また、さらに、入札制度においても、地元地域での技術者不足を補うため、地域の実情を踏まえたJV制度の運用や地元の中小建設企業が広く受注機会を確保できるように地域貢献型総合評価落札方式の適用価格帯の拡大等を行ってまいります。  今後も、入札動向を注視しつつ、5か年加速化対策を円滑に推進するためにも、地域を支える建設関連企業の皆さんが活躍できるよう環境整備に努めてまいります。  以上でございます。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)県の空き家バンクの利用状況とさらなる活用への取組についてというお尋ねです。  県が宅建協会と共同で運営しています楽園信州空き家バンクは、平成27年8月に立ち上げたものであります。現在ウェブサイトで公開中の物件は約650件、成約件数は昨年度の実績で274件です。緊急事態宣言が出されました昨年4月以降、このウェブサイトへのアクセス数が増加して前年度に比べ1.5倍ないし2倍となっておりまして、やはり地方への関心の高さを実感しているところであります。  移住には、住まいの確保が最も重要であります。空き家をはじめとしまして、ニーズの高い農地付住宅など住まいの情報発信ですとか、実際に空き家や空き店舗をリノベーションして生活や事業を営んでいる人をゲストに迎えての移住セミナーなどを引き続き行ってまいります。  また、国におきましては、高い省エネ性能を有します住宅を取得する人に対しましてグリーン住宅ポイント制度が開始されます。空き家バンクに登録されている住宅の購入やリフォームも対象となりますことから、市町村や事業者を通じまして物件所有者に対して登録を呼びかけてまいりたいと考えております。こうした取組を通じまして、空き家バンクの活用促進を図ってまいります。  以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には大きく2点御質問を頂戴いたしました。  まず、まちづくりについてのお尋ねであります。  人口減少、高齢化、気候変動の問題への対応、こうしたことを考えますと、これからのまちづくりの在り方は極めて重要だというふうに考えております。日本各地それぞれ風土やこれまでの都市の在り方が違っておりますので、その地域その地域に適したまちづくりの在り方ということを考えていくということが重要だと思っています。  そういう観点で、本県としては、コンパクトシティープラスネットワーク、こうした視点で取組を進めていきたいというふうに考えています。まず、コンパクトシティー、買物や病院、行政機能など様々な機能をできるだけコンパクトに集約して、歩いて楽しめるようなまちづくり、また、御質問にもありましたように、緑豊かで魅力ある生活空間をつくっていくということが重要だというふうに考えております。  しかしながら、一方で、本県は分散型の県土になっています。都市の規模も大小様々ありますし、また、中山間地域にも集落があり、そこでの暮らしを営まれている方もいらっしゃいます。そういう意味で、このコンパクトシティーをハブとして、周辺の小規模な地域、小規模な人口の集まっている町、村あるいは集落、こうした地域を多様な交通手段でつないでいくということが重要だというふうに考えております。  こうしたことを実現していく上では、これまでの手法や発想にとらわれない取組が重要だと考えております。市町村ともしっかり連携していきたいと思いますし、また、民間の皆様方とも様々なコラボレーション、アライアンス、連携していくことが重要だというふうに考えております。例えば、交通面でも、MaaSというようなことで、DXの活用等も進めていきたいというふうに考えています。  今、UDC信州、信州地域デザインセンターにおきましては、こうした視点でのまちづくりを具体化していこうということで取組を始めています。まずは、しなの鉄道の沿線エリアで具体的な施策を進められないかということで検討しているところでございます。今後とも、本県の特徴を十分踏まえて、魅力あるまちづくりを進めていきたいというふうに考えています。  続きまして、新型コロナウイルス対策に関連して、特措法改正により行政罰が導入されたことをどう考えるか、また、行政罰を科すまでの手続をどう想定しているかという御質問であります。  感染症対策については、これまでも、県民や事業者の皆様方の御理解と御協力の下で県民一丸となって進めてきました。これからこの行政罰が制度化されても、基本的な考え方は同じであります。命令や行政罰といった手段はあくまでも最終的な手段だというふうに考えております。  手続でありますけれども、国が示した通知によりますと、まず、要請に応じない事案に対しては、現地調査や立入検査の際に要請の趣旨等を説明し、是正を求めるという形になっております。こうした対応を行っても、なお正当な理由がないにもかかわらず要請に応じていただけない場合には命令を検討するという形になります。その際は、学識経験者から意見聴取をし、弁明の機会を付与した上で、当該施設がクラスターの発生するリスクが高い状況である場合など、蔓延防止のために特に必要と認められる場合に限り命令することとされています。  さらに、過料を科する手続は裁判所において進められます。裁判所への通知については、感染拡大防止や行政秩序の観点からやむを得ないときに限り検討すべきものというふうに考えております。行政罰の運用については慎重に行っていきたいと考えております。要請に応じない事業者に対しても、まずは理解と協力を得るということを基本として今後とも対応していきたいと考えております。  以上です。       〔林務部長井出英治君登壇〕 ◎林務部長(井出英治 君)山間地における森林土木工事の入札不調、不落の原因及び解決策についてお尋ねをいただきました。  森林土木工事は、急峻かつ地質が脆弱な場所での作業が多いことから、平たん地の建設工事に比べ危険な箇所での作業となり、また、作業効率が悪いといった声があることをお聞きしております。そのため、同時期に道路や河川等の多くの工事発注があると、応札者から敬遠されやすく、その結果、入札不調が発生しているものと受け止めております。  現在、入札不調の解決策としましては、積算との乖離が原因の場合、見積り徴取による積算・予定価格の設定や十分な仮設費用の計上に加え、発注ロットの大型化、フレックス工期の導入等に努めております。  今後は、これに加え、現場の声を反映させて、労働者の負担軽減を図るための軽量化資材を活用した工種の採用やICTを活用した現場管理の軽減等に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)新型コロナウイルス感染症対策について順次お答えいたします。  まず、高齢者や基礎疾患のある方を重症化させない取組についてでございます。  新型コロナウイルスの陽性者は、感染症指定医療機関等の医師による医学的な判断の下、入院か宿泊療養等かの振り分けを行っており、高齢者や基礎疾患のある方など重症化のおそれがある方は、軽症段階にあっても迅速かつ確実に入院治療につなげているところであります。  また、入院後の治療に関しましては、新型コロナウイルス感染症の治療に関する症例の報告や意見交換を行う検討会を信州大学医学部附属病院と共同で開催しておりまして、県内医療関係者の皆様に症例に応じた治療方法などの知見を深めていただくよう取り組んでいるところであります。今後も、様々な観点から県民の命と健康を守る医療体制の整備に努めてまいります。  次に、パルスオキシメーターの活用状況についてであります。  療養者の血中酸素飽和度を測定できるパルスオキシメーターにつきましては、宿泊療養施設において入所者全員分を配備いたしますとともに、自宅療養者へは保健所から貸出しを行っており、それぞれ1日2回の健康観察で数値の確認を行っております。今後も療養者の症状の変化を的確に把握し、迅速に対応できるよう活用してまいります。  次に、ワクチン接種に関しましてお尋ねをいただきました。  最初に、ワクチンの輸送、保管、管理についてであります。  現在薬事承認されておりますファイザー社のワクチンは、マイナス75度Cプラスマイナス15度Cでの厳格な温度管理が求められており、県内の基本型接種施設への輸送はメーカーが行うこととされております。基本型接種施設に輸送されたワクチンは、マイナス75度Cに対応したディープフリーザーで保管されます。  その後、接種に当たっては、基本型接種施設から接種を行う連携型接種施設へ輸送する必要も生じてまいります。この場合には、医療機関や委託業者等が保冷ボックスを活用して輸送し、それぞれ輸送先において2から8度Cで冷蔵保管されますが、輸送後の使用期間は5日以内とされております。  このように、ワクチンにつきましては、厳格かつ細部にわたって取扱いが定められており、まずはこれらの内容について関係者で共有、確認をいたしますとともに、輸送、保管、管理に当たってはしっかりと安全が確保されるよう医療機関等とともに取り組んでまいります。  次に、ワクチン接種に係る管理システムの構築についてであります。  今回のワクチン接種では、一元的な情報管理による円滑な接種を支援するため、国において二つのシステムの稼働が予定されております。  一つ目は、ワクチンの円滑な流通などを支援するワクチン接種円滑化システム、通称V-SYSでございまして、一部の機能が既に稼働しております。このシステムでは、各医療機関におけるワクチンの接種状況が把握できるほか、住民向けにワクチン接種を行う医療機関や集団接種会場の予約状況が確認できる機能が提供される予定でございます。  二つ目は、マイナンバーと連携して住民のワクチン接種履歴を管理するワクチン接種記録システムで、こちらは現在開発中でございます。このシステムでは、住民の接種状況が個別に把握でき、例えば引っ越し等によって2回の接種を異なる市町村で接種する場合や、また、接種券を紛失してしまった場合など様々なケースでの活用が期待されているところであります。今後、各システムの内容や運用方法について早期に把握し、市町村等への情報提供を行ってまいります。
     次に、接種率を高めるための周知、広報についてであります。  集団免疫を獲得するためには、より多くの県民の皆様にワクチンを接種していただくことが必要であり、都道府県及び市町村は、住民に対し接種を勧奨するとされているところであります。一方、接種の実施はあくまで個人の意思によるものとされておりまして、県民の皆様お一人お一人にその判断をいただくためには、ワクチンの効果や安全性、副反応などに関する正しい情報を丁寧に分かりやすくお伝えしていくことが極めて重要であると考えております。  県では、小岩副知事が統括するワクチンチームの中に広報・相談対応班を設け、市町村とも連携して各種媒体を活用した情報発信を行ってまいりますとともに、県民の皆様からの相談に丁寧に対応することによって周知と理解の促進に努めてまいりたいと考えております。  次に、ワクチン接種に係る専門的な相談窓口についてでございます。  ワクチン接種に係る相談体制につきましては、市町村において接種場所の確認や予約といった接種に係る具体的手続に関する問合せに対応していただく一方、ワクチンの効果や副反応など医学的見地が必要となる専門的な相談については県が対応することとしております。今後、3月中旬を目途に相談対応のコールセンターを立ち上げてまいりますとともに、市町村の相談窓口との連携体制の構築や相互の相談内容の共有などについても検討してまいります。  次に、ワクチン接種に係る市町村の人材確保等に対する様々な支援についてということでございます。  各市町村では、接種事業に必要な医師、看護師等の人材のほか、接種場所の確保や資材の調達、ワクチンの保管・搬送体制の構築など、準備を進める中で様々な課題に直面しているものと承知しております。  県といたしましては、各地方部のワクチンチームを窓口としたきめ細かな対応に加え、市町村の代表者や医療関係者をはじめとする関係団体等を構成員とした接種体制整備連絡会議で調整、協議を行うことによりましてワクチン接種が円滑に進むよう支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔副知事小岩正貴君登壇〕 ◎副知事(小岩正貴 君)私にはワクチン接種体制の整備状況について御質問をいただきました。  このワクチン接種につきましては、感染状況も含めて、できるだけ落ち着いた状況の中で接種を希望される県民の皆様が安心して滞りなく接種できることが大切と考えております。  今回のワクチン接種は、これまでにない大きなプロジェクトでございまして、圏域ごとのワクチンチームや、市町村、医師会等関係者にも御参加いただきました連絡会議を設置し、オール長野で取り組む体制を取ったところでございます。  県では、間もなく開始されます医療従事者等向けの優先接種に向けて、各地の郡市医師会、医療機関等の協力も得て、ワクチンの保管や接種を行う施設を確保し、今週にも国から配分されますワクチン第一弾に備えているところでございます。ここでのノウハウを市町村とうまく共有したいと考えております。  また、県内市町村におきましても、4月以降高齢者から開始される接種に向けまして、現在、関係機関とも連携しながら、接種会場の選定や人材の確保など、まだまだ手探りな部分はございますが、必要な準備を鋭意進めていただいているところでございます。ワクチンの配分スケジュールが少しずつではありますが見えてきますことで、より具体的な準備作業に進んでいくことになります。  あわせて、私の意気込みとのことでございますけれども、これは、意気込んでいるというよりも、身構えていると言ったほうが率直な心情であるというふうに思います。今後、必要な体制整備や調整を進めていく中で様々な事態や課題が生じることも予想されますが、市町村のサポートも含めしっかりと対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔観光部長中村正人君登壇〕 ◎観光部長(中村正人 君)経済対策に関連し、私には県独自の誘客事業と観光事業者への支援について御質問をいただきました。  感染対策の徹底と旅行者の安全確保に頑張る事業者を応援するため、同居の家族を対象とした家族宿泊割と、県民が県内のスキー場リフト券を半額で利用できる商品の販売を先月19日から開始し、さらに、県内の感染状況等が落ち着いておりますことから、一昨日からは宿泊割の対象を県民全体へと拡大するとともに、イチゴ狩りやスノーシュー等の冬のアクティビティー商品にも対象を広げるなど、現在、県独自施策により誘客事業を始めているところでございます。  今後は、県内の感染状況や医療提供体制を注視しながら、Go To トラベルの再開も見据えつつ、誘客範囲を比較的感染が落ち着いている近隣県から全国に拡大していくなど、需要喚起策を機動的に実施し、厳しい状況にある観光事業者を切れ目なく支援してまいりたいと考えております。  また、観光農園などの体験施設や土産物店などに対する支援といたしましては、こうしたところで御利用いただけます県民限定の割引クーポンの販売を検討するほか、旅行業者に対しましては、宿泊割事業への参加やバスツアー企画等への助成を通じた支援、また、交通事業者には貸切りバスや観光タクシー、観光列車の利用支援を行いまして、裾野の広い観光産業における需要回復を図ってまいりたいと思います。  以上でございます。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)私には飲食店への応援について御質問いただきました。  厳しい経営環境にある飲食店への支援については、これまでも商工会議所等と連携して感染対策を支援するための持続化補助金の上乗せ助成や、対策の徹底を全県に広げるためのアクリル板配付などを行ってきたところであります。  こうした中、消費の回復のためには安心感の一層の醸成が求められるなどから、チェックリストを活用した店舗への巡回による新型コロナ対策推進宣言のアップグレードや、利用者に対する「感染リスク10分の1県民運動」や「新たな会食のすゝめ」を呼びかけ、売手、買手、そして地域経済のプラスとなる三方よしの安心なお店づくりを推進してまいります。  その上で、利用期限が本年6月末まで延長となった信州Go To イートキャンペーンやプレミアムつきクーポン券の発行など、切れ目ない消費喚起を講じてまいりたいと考えております。  先ほど、県内の安心なお店を応援すべく、県と市町村、経済・労働団体連名による社会経済活動の活性化に向けた申合せを行わせていただきました。官民挙げて利用促進を図るとともに、信州のがんばるお店応援プロジェクトなど、SNSやマスメディアを活用して積極的に情報発信することで機運醸成を図り、経済の回復につなげてまいります。       〔危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理部長(竹内善彦 君)時短営業、休業要請のエリア指定についての御質問でございます。  昨年春の緊急事態宣言時には、全国的に施設の使用制限の要請が行われ、本県においても、他県に比べ施設の対象を限定したものを県全域にわたり要請いたしましたが、第3波においては、感染が顕著に拡大した山ノ内町、小諸市、飯田市、松本市、白馬村の一部地域で酒類を提供する飲食店等に営業時間の短縮等を要請したところでございます。この措置は、飲食店での感染の連鎖を防止するため、または集団的な感染の連鎖を未然に防ぐ予防的措置として実施したものでありまして、いずれも当該市町村と協議の上、制約が過大とならないよう必要最小限のエリアを定めたところでございます。  このような営業時間の短縮などの強い対策を短い期間で迅速に実施することにより、社会経済活動への影響を狭い範囲で収めつつ感染の拡大を的確に防止できたと考えておりまして、今後も、蔓延防止対策として営業時間の短縮などを要請する場合には、市町村と協議の上、早く、狭く、強く、短くの考え方を基本に対応していきたいと考えております。  以上でございます。       〔17番竹花美幸君登壇〕 ◆17番(竹花美幸 君)御答弁いただきました。  新型コロナウイルス感染症の収束の鍵となるワクチンの先行接種が始まりましたが、ファイザー製のワクチンは、発症予防効果95%が示されています。同社の治験に基づいたその有効性については、臨床試験に約4万人が参加し、その半数がワクチンの接種を受け、残りの半数がプラセボと呼ばれる偽薬の接種を受けました。偽薬のグループは162人が発症したのに対し、ワクチンを接種したグループの発症者は8人、つまりワクチン接種で発症者が20分の1、8割る162イコール約0.05、約5%に抑えられたことになります。これが予防効果95%の意味であり、有効性95%などとも言われています。この数値について、河野太郎ワクチン接種担当大臣は、いつものインフルエンザワクチンの有効率が40から60%と報告されていることを考えると、高い効果と説明しています。  また、厚生労働省は、変異株への効果について、一般論として、ウイルスは絶えず変異を起こしていくものであり、小さな変異でワクチンの効果がなくなるわけではないとしています。  県民の皆様にワクチンの安全性、有効性が広く認識されるよう、正しい情報発信に努め、接種率の向上に努めていただくとともに、市町村は国や県からの情報がまだまだ乏しい中で、懸命に住民の命を守るために尽力されております。全力で市町村のワクチン接種体制を支えていただきたいと思います。  知事の仕事は、県民の命と暮らしを守ることです。コロナ禍でたくさんの方が不安な生活を強いられています。一日も早く感染が収束することを心より祈り、私の一般質問は以上で終了させていただきます。ありがとう存じました。 ○議長(小池清 君)次に、大井岳夫議員。       〔8番大井岳夫君登壇〕 ◆8番(大井岳夫 君)自民党県議団、大井岳夫であります。連日のように特殊詐欺と火災について全国で報道がなされています。連日報道されるということは、日常生活の中で身近に起きていることとも言えますが、ともすれば、他人事と感じる方も多く、自分は大丈夫だ、まさか自分が被害に遭うはずはないと無意識のうちに感じてしまうことが、特殊詐欺、火災の恐ろしいところでもあります。決して他人事ではなく、我々もいつ被害者になるか分かりません。  そして、火災においては、自らの被害だけでなく、近隣の財産を毀損させてしまう可能性があるという意識を持たなくてはなりません。自らが注意し、予防に努めるとともに、身近な方に声をかけ、注意喚起し合う、意識を高め合う地域を構築していくために、我々一人一人が何をしなければならないか考え、行動していかなくてはなりません。  そのような思いを込め、初めに、特殊詐欺対策について質問します。  警察庁によると、令和2年中の特殊詐欺の認知件数と被害額はいずれも前年より減少したものの、高齢者を中心に全国で1日当たり約8,650万円もの被害が生じているなど、依然として深刻な状況にある中で、長野県内においても、高齢者を中心として、高い水準で特殊詐欺の被害が発生しております。  例えば、親族をかたるケースでは、冷静に考える時間を与えられず、身内の窮地を救いたい一心に付け込まれ、こつこつと真面目に老後のためにと蓄えてきた財産が一瞬のうちに奪われています。被害に遭われた方は、その金額の大小にかかわらず、貴重な財産を失ってしまったことへの喪失感、また、だまされたと気づいたときのショックにより、そのトラウマから人を信じられなくなり、親族や近隣との人付き合いにも影響を及ぼすことは想像に難くありません。そのような気持ちをおもんぱかると、いたたまれない気持ちになると同時に、このような、善意を利用した、親族の絆を踏みにじる、卑劣で許し難い犯罪に強い怒りを覚えます。  さて、県警の発表によりますと、県内において昨年1年間に県警が認知した特殊詐欺被害の件数は125件と、前年と同数であったものの、被害額は約3億円と前年より約6,000万円増加しております。  警察署内では、生活安全課、地域課、刑事課などが連携し、啓発活動、高齢者宅を中心とした巡回、検挙を一体となって行っています。地域内においては、金融機関、コンビニエンスストアなどとの連携を強化し、水際での被害未然防止の成果として、令和2年の実績が287件、約1億1,400万円に上るなど、一定の効果を上げていると認識しています。  犯人検挙に向けた取組の強化により、受け子役、出し子役の容疑者やリクルーター役の容疑者の逮捕につながるなど県警の取組が功を奏している一方で、犯人グループが手を替え品を替え、新たな手口を考え出しています。最近では、地元百貨店の名前をかたった犯行が増えているほか、高齢者施設入居権の名義貸しなどのトラブル解決名目で被害者が複数回だまし取られ、被害額が高額なものになったものもあるとのことで、実際に犯行の手口が巧妙なものになっていると感じています。  また、全国的には新型コロナウイルス感染症に便乗した特殊詐欺も発生し、県内においてもその前兆となる不審な電話が確認されていると聞いています。コロナ禍が当面続く状況下においては、コロナ禍に便乗した特殊詐欺被害の発生も危惧されており、これまで以上に特殊詐欺への取組を強化する必要があります。  特殊詐欺対策の啓発活動では出前講座や注意喚起を促す回覧などが中心だと思いますが、出前講座に出席される方は、そもそも警戒意識が高い方であることが多く、重要なのは、自分はだまされない、だまされるわけがないという潜在的意識をお持ちの方、高齢者を中心とした、足が悪く、耳が遠いといった疾患を抱えている方へいかに効果的なアプローチができるかであります。  また、サイバー攻撃を防ぐことと同じように、待っているのではなく、先手を打ち、被害を未然に食い止め、検挙につなげる、言わば犯行グループにはこちらから攻撃するという攻めの姿勢にて、犯行に移る前にその芽を断つなどの対策が求められます。  県民の安全、安心の確立のため、特殊詐欺の被害を根絶させなくてはならないという考えの下、以下、警察本部長に伺います。  1として、新たな手口に対する未然防止対策をどのように推進していくのか。また、自分はだまされないといった潜在意識のある方や情報が届きにくい高齢者等に対する被害防止のための広報啓発活動をどのように推進していくのか、伺います。  2として、特殊詐欺事件では、学生などの若者が気軽な気持ちで受け子を引き受け、犯罪に加担している状況も認められます。特殊詐欺の被害を生まないためには、加害者、犯罪者を生まないための対策も講じていかなくてはならないことから、加害者を生まないための対策をどのように講じていくのか、伺います。  3として、犯行グループの撲滅に向けてどのように検挙方策を強化していくのか、伺います。  次に、火災予防対策について質問します。  昨年12月、佐久市で発生した住宅火災では、希望あふれる未来が待っていた子供4人の命が一夜のうちに奪われてしまいました。年末から今年にかけて犠牲者を伴う住宅火災が県内各地で相次いで発生し、直近では2月27日から28日にかけて発生した住宅火災により2人が亡くなるなど、子供からお年寄りまで多くの命が火災によって奪われています。火災によって亡くなられた皆様に謹んで御冥福をお祈り申し上げます。  栃木県においては、2月21日に発生した山林火災が、この季節特有の乾燥と強風によって延焼が広がり、1週間以上経過した本日、ようやく鎮圧の見込みであるものの、2月28日現在で約106ヘクタールの山林が焼失し、305世帯、610人に避難勧告が出されています。このように、生命、財産や日常生活、森林資源を瞬く間に奪い、生態系のみならず、高速道の部分的な通行止めにより交通機関、経済にも影響を及ぼすのが火災であり、火の勢いが強まれば短時間での消火は容易ではありません。  当県においては、冬の厳しい寒さを乗り切るため、冬期間は、石油ストーブや電気ストーブなど、火災のリスクはありながらも、暖房効果の高い器具に頼らざるを得ず、それゆえに、暖房器具による住宅火災が増加する傾向にあります。このような状況を踏まえながら、火災を減らし、火災による死者を発生させぬよう、市町村や広域消防と連携し、啓発、予防活動に取り組んでいかなくてはなりません。  折しも、本日より1週間は春の全国火災予防運動期間であります。運動の統一標語「その火事を 防ぐあなたに 金メダル」を掲げ、消防団員においては、県内各地で火災予防の啓発活動を行うと同時に、消火器具庫、格納庫、防火水槽などの点検を行います。このように、いざ火災が発生した際は真っ先に現場へ駆けつけ、初期消火に当たる消防団の存在は、地域の防災力を維持し、安全、安心に暮らすために不可欠な存在であり、コロナ禍におけるサポートをしっかりと行っていかなくてはなりません。  そこで、危機管理部長に伺います。  1として、長野県内の住宅火災の発生状況と県内における住宅火災予防の取組について伺います。  2として、こうした住宅火災による死傷者を減少させるために最も有効なのが住宅用火災警報器の設置であると考えます。住宅用火災警報器は、寝室と寝室がある階の階段上部、これは寝室が2階以上にある場合でありますけれども、に設置することが必要でありまして、市町村条例で設置義務がある場所全てに設置している世帯は、令和2年7月時点において、全国で68.3%に対し長野県内は64.8%と全国平均を下回っています。一方で、上伊那広域消防本部管内の設置率は74%、佐久広域消防本部管内、須坂市消防本部管内はいずれも73%と、同じ県内でも全国平均より高い設置率となっていることから、これらの地域の取組を参考にし、設置率を高めていかなくてはなりません。  さらには、住宅用火災警報器の交換の目安は、内部部品劣化を鑑みて10年と言われており、定期的な点検が欠かせません。そこで、長野県内における住宅用火災警報器の設置状況とその普及、点検等に向けた取組について伺います。  3として、毎年春の訪れに合わせて土手焼き、野焼きが行われていますが、強風にあおられて飛び火し、連日のように県内各地で火災が発生し、時には人命に関わる事象も発生しています。最近は、議会棟より毎日のように消防車のサイレンを聞いていますし、今朝も朝6時台に議員会館より消防車のサイレンを聞いたところであります。県民の火災予防の意識を向上させるため、どのような取組を行っていくのか、伺います。  4として、コロナ禍で、令和2年のポンプ操法大会、ラッパ吹奏大会は全て中止となってしまいました。言わばブランクが1年発生している状況です。そこで、令和3年の大会開催に向けては、活動に不安を抱く団員の声を受け止めながら準備を進め、技術習得をサポートしていく必要があると考えますが、見解を伺います。また、コロナ禍における日常の消防団活動や団員確保に向けどのような支援を行うお考えか、伺います。  最後に、選ばれる信州教育と移住・定住支援について質問します。  2月25日に宮本議員が自民党県議団の代表質問で触れられた教育、移住部分について少し掘り下げ、質問をいたします。  新型コロナウイルスの感染拡大は、我々の生活を一変させ、計り知れない経済的ダメージ、医療危機をもたらした一方で、人の密集が抑えられつつ、信州の豊かな環境の下、独自のカリキュラムで学べる信州教育にこれまで以上に注目が集まっているなど、新型コロナウイルスの感染拡大によってこれまで以上に見えてきた可能性もあります。  さて、2014年にまち・ひと・しごと創生本部が実施した東京在住者の今後の移住に関する意向調査では、東京から移住する予定または移住を検討したいと考えている人は約4割という結果が出ました。若者が地方への移住に興味がある理由として、自然にあふれた魅力的な環境に加え、子育てに適した自然環境、子供の教育環境は常に上位に来ており、移住を検討するきっかけとして子育てを挙げる声が特に女性に多く見られます。  実際に、近年、12年間の幼小中混在校である軽井沢町の風越学園や、イエナプラン教育の佐久穂町大日向小学校などで子供を学ばせたいために首都圏より学校周辺に移住する家庭が増加しています。  一方で、移住に当たり、教育面で不安を感じる点として、都市部と比べて学力が下がらないか、高校、大学の選択肢が狭くならないかなどが挙げられています。したがって、これらの不安の解消に努めることが肝要であり、不安を払拭することができればおのずと移住世帯の増加、移住後の高い定着、定住率につながっていきます。  そこで、1として、これらの課題に向き合い、不安を解消するためにも、移住者を引きつける私学と公立校が切磋琢磨し、共同の研究や連携を重ね、他県ではまねのできない唯一無二の信州教育を確立していく必要があると考えますが、教育長の所見を伺います。  2として、移住・定住施策におきましては、子育て、教育環境面における発信をより強化し、子育て、教育分野、さらには市町村と連携しながら推進すべきと考えますが、企画振興部長の所見を伺います。       〔警察本部長安田浩己君登壇〕 ◎警察本部長(安田浩己 君)特殊詐欺対策について3問御質問をいただきました。  まず、新たな手口に対する未然防止対策と被害防止のための広報啓発活動についてのお尋ねであります。  議員御指摘のとおり、本年に入り、地元百貨店の名前をかたり、コロナ禍を悪用して自宅郵便ポストにキャッシュカードを入れさせ、これをだまし取る非対面型の手口の被害が連続発生するなど、特殊詐欺はその時々の社会情勢や地域の特性を背景に、その手口を日々巧妙化させております。  県警察といたしましては、こうした新たな手口を認知した際には、速やかにその手口と注意すべきポイントについてできる限り分かりやすい広報を実施するなど、被害対象者の心に響く実効性のある対策を推進し、被害の未然防止を図っているところであります。  特殊詐欺被害を防止するためには、県民の皆様にその手口を知っていただき、警戒心を持っていただくことが重要でありますが、そのためには、議員御指摘のとおり、自分はだまされないという潜在意識をお持ちの方や情報が届きにくい高齢者にどのようにアプローチするかが極めて重要な課題であると認識しております。  特殊詐欺被害者に対するアンケート調査では、約8割の方が自分はだまされないと考えていたと回答しておりますが、こうした潜在意識をお持ちの方に対しては、誰もが特殊詐欺にだまされる可能性があるという警戒心を持っていただくために、単に手口を紹介するだけではなく、実際の犯人の音声や動画などを視聴していただいたり、体験、実演による指導を交えるなど、被害の危険性を体感していただく取組を推進しているところであります。  また、特殊詐欺の被害者の約8割は高齢者でありますが、高齢者には一般的な広報では情報が届きにくい傾向があることから、警察官が直接自宅へ戸別訪問して防犯指導を実施しているほか、高齢者と接する機会のある民生委員や消防団等による働きかけをお願いしたり、防災行政無線や回覧板、チラシのポスティングなど、あらゆる媒体を活用した広報啓発活動を推進しているところであります。  さらに、来年度は、新たな手口や被害防止対策を周知するテレビCMを制作、放送することとしており、このテレビCMによって、高齢者はもとより、高齢者を取り巻く全ての世代の方々に注意喚起を行ってまいりたいと考えております。  次に、加害者を生まないための対策についてのお尋ねであります。  特殊詐欺の犯行グループは、ツイッターなどのSNSを利用して受け子など実行犯の募集を公然と行っており、当県においても、令和2年中に検挙した特殊詐欺被疑者の約6割がSNSの募集から特殊詐欺に加担している状況にあります。こうした状況を踏まえ、県警察では、SNS上で受け子等を募集する際に使用されるヤミバイト、裏バイトといった隠語を検索した利用者に向け、直接犯罪を思いとどまらせる内容の警告を行っているところであります。  また、当県出身の著名人である美川憲一さんに御協力いただき、特殊詐欺加担防止を呼びかける動画を制作し、SNS、ウェブサイト等による広報啓発活動を展開しております。  さらに、特に少年は遊興費欲しさに安易に特殊詐欺に加担する傾向があることから、教育委員会や学校と連携して、非行防止教室や保護者向けの講演会を開催するなど広報啓発活動を推進するほか、街頭補導活動などを通じた個別指導を行うことによって少年の規範意識の向上を図っているところであります。  最後に、犯行グループの撲滅に向けた検挙方策の強化についてのお尋ねであります。  県警察では、防犯カメラ捜査や聞き込み捜査、駅や大型商業施設など被疑者の立ち寄りが予想される場所での警戒などにより、特殊詐欺の受け子役や出し子役の被疑者を検挙するとともに、これらの者から得られた供述等を端緒として、リクルーター役や指示役などの上位被疑者への突き上げ捜査を実施しております。  また、特殊詐欺の犯行場所は複数県に及ぶものが多いことから、関係する都道府県警察と情報交換をし、必要に応じて合・共同捜査を行うなど、中枢メンバーの検挙による犯行グループの撲滅を目指した捜査を推進しております。  さらに、来年度の組織改正において、刑事部組織犯罪対策課に特殊詐欺実態解明指導官及び特殊詐欺実態解明係を新設することとしており、特殊詐欺に関与している犯罪組織等に関する情報の収集及び集約を行うとともに、集約した情報をしっかりと分析することによって組織の中枢に打撃を与える事件検挙を推進してまいりたいと考えております。  県警察といたしましては、引き続き特殊詐欺の徹底検挙に努めるとともに、県をはじめとした関係機関、団体と連携を図りながら被害の未然防止対策を推進し、本年を特殊詐欺根絶に向けた第一歩を踏み出す年にできるよう全力を尽くしてまいります。  以上でございます。       〔危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理部長(竹内善彦 君)火災予防対策につきまして4点御質問をいただきました。  まず、住宅火災の発生状況と住宅火災予防の取組についてでございます。  令和元年中の県内における火災の発生件数は905件で、そのうち住宅火災は199件、死者数は40人となっております。また、65歳以上の死者数は31人と全体の7割以上を占めております。最近の10年間を見ても、年平均の死者数は約38人で、そのうち6割以上が65歳以上の高齢者となっており、火災発生件数やそれによる死者数はほぼ横ばいの状態となっております。  議員指摘のとおり、本日から春の全国火災予防運動が始まりましたが、県といたしましては、消防本部等とともに、このような機会を通じ、住宅用火災警報器の設置の徹底、たばこ火災に係る注意喚起などの啓発活動や警戒活動に取り組んでまいります。
     次に、住宅用火災警報器の設置状況とその普及等に向けた取組についてでございます。  住宅用火災警報器の設置率は、令和2年7月時点で、全国の82.6%に対し長野県は80.7%、また、市町村の火災予防条例に適合する住宅の割合は、議員御指摘のとおり、全国の68.3%に対し長野県は64.8%と、いずれの割合も長野県は全国を下回っている状況となっております。  総務省消防庁の調査結果によりますと、住宅用火災警報器が設置されている場合、死者数と焼損床面積は半減、損害額は約4割減となるなど、住宅用火災警報器の設置は、死傷者の減少に対し極めて効果的な対策でございます。  住宅用火災警報器の普及、点検等に向けた取組といたしましては、消防本部にあっては、横断幕やのぼり旗等による啓発のほか、住宅を訪問し、設置の促進や、設置されている場合は作動確認を行っております。  また、県においては、消防設備協会と連携して、街頭啓発のほか、住宅用火災警報器の設置や作動確認、交換などに関するチラシを配布するなどの取組を行っており、今後とも関係機関と連携し、設置率の向上に努めてまいります。  3点目でございますが、火災予防意識を向上させるための取組についてでございます。  県では、3月から5月にかけて、春の山火事予防運動期間として、消防本部等とともに山火事を予防するため特に様々な啓発活動を実施しております。  県においては、関係機関と連携したパトロール等による啓発活動や広報車を使用した注意喚起、懸垂幕やポスターを活用した広報などにより火災予防意識の向上に取り組んでおります。  また、市町村においても、広報誌や防災無線を活用して火の取扱いに注意するよう周知したり、消防団員が高齢者世帯を直接訪問して防火や住宅用火災警報器の設置を呼びかけるなどの活動を行っているところでございます。  これからも、消防本部をはじめ、市町村や消防団など関係機関とともに、県民の火災予防意識が向上するよう引き続き啓発活動に取り組んでまいります。  最後に、コロナ禍における消防団への支援についてでございます。  消防団においても、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により活動が制限されていること、また、消防団活動に不安を抱く団員がいらっしゃることなどを承知しております。  来年度の大会に向けては、県消防協会が主体的に進めるものではありますが、県としては、新型コロナウイルスの感染リスクや感染防止対策など必要な情報を適時適切に消防協会や消防団と共有し、円滑な開催準備を支援してまいります。  また、技術習得に関しても、消防学校における講習を活用いただくほか、消防団の訓練時における新型コロナウイルスの感染対策の周知徹底が図られるよう情報共有してまいります。  なお、日常の消防団活動や団員確保については、コロナ禍においても安心して活動できるよう、既に感染対策を周知しているところでありますが、今後も新たな情報を消防団に周知するなど県消防協会と連携して必要な支援を行っております。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)私立、公立校が切磋琢磨した選ばれる信州教育の確立についてというお尋ねでございます。  大きく社会が転換する中で、一人一人の子供の個性や能力を最大限引き出すことができるような多様な学びの場が強く求められているというふうに思っております。  教育委員会では、学びの改革実践校として、本年度は小中学校25校、来年度は42校を選定して、学年担任制や小学校の教科担任制、自由進度学習、異学年合同の学びなど学校体制や授業の改革を進めているところであります。  また、議員御指摘のとおり、私立の学校では、平成31年度に開校した大日向小学校、それから本年度開校した軽井沢風越学園、いずれも児童が自ら学習の計画を立てて学習を進めるなど子供たちの個性を尊重しながら自立性を育む教育を進めている学校だというふうに考えております。両校へは、県の指導主事が訪問を重ねたり、また、風越学園には県の教員を研修派遣して実践研究を行ったりして連携を図り、これからの子供たちにとってふさわしい教育の姿を追求しているところであります。  信州ならではの魅力ある学校づくりを行うとともに、公立、私立それぞれがお互いに高め合い、連携を重ねることにより、県全体が魅力的な学びの場となり、移住を希望している皆さんにも信州で学ばせたいと思っていただけるように全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)移住施策を推進するための子育てや教育環境に係る発信強化についてというお尋ねです。  移住施策の主なターゲットであります20代から30代の若年層、若手は、子育ての時期と重なる人が多いことから、子育て環境、教育環境は大変重要なPRポイントであると考えております。  本県は、自然の中での体験を重視する信州やまほいくに全国に先駆けて取り組んでまいりました。本県発祥の山村留学も県内各地で行われております。また、先ほど紹介がありましたけれども、特色ある教育を行う私立の学校が相次いで設立され、多くの移住者を迎え入れております。  こうした魅力的な教育、子育て環境を提供できることは、長野県の大きな強みであるというふうに考えております。これまでも、これらをテーマとした移住セミナーを市町村や関係者と連携して開催してまいりました。今年度は、コロナ対応ということもありましてオンラインで実施しましたところ、小さなお子さんを持つ方から参加しやすいと好評だったため、引き続き活用していきたいというふうに考えております。  今後とも、市町村や関係部局と連携し、長野県の子育て環境、教育環境の充実を図るとともに、新たに開設いたします移住関連包括サイトや総合情報発信アプリ、拡充する銀座NAGANOにおきまして信州暮らしを楽しむ人のライフスタイルを紹介、提供するなど、長野県が子育て世代から選ばれるよう、魅力の向上、発信力強化に努めてまいります。  以上です。       〔8番大井岳夫君登壇〕 ◆8番(大井岳夫 君)それぞれ答弁をいただきました。  特殊詐欺対策においては、動画配信サイト、ユーチューブにて、松本警察署、千曲警察署が、独自の啓発動画を工夫を凝らしたドラマ仕立てにして、犯行手口を分かりやすく説明されています。そこに、何とか被害を食い止めたいとの現場の危機意識をかいま見る思いがいたしました。  また、同じく動画による啓発では、先ほど警察本部長が触れられた信州安全安心サポーターの美川憲一さんが個性豊かな印象深い言葉で県民へ呼びかけているほか、阿部知事をはじめ、大町市、上田市、佐久市、長野市、松本市長がリレー形式で特殊詐欺への注意喚起を呼びかけている動画もありますが、残念なことに、昨年9月の作成にもかかわらず、視聴回数は約200回と、決して多くの方に見ていただいているとは言えない状況であります。ちなみに、美川憲一さんの動画の視聴回数は約2,000回です。せっかく貴重な動画をつくっていただいているわけですから、もっと見ていただくための工夫をしていただきたいと思いますし、私も、微力ながら、多くの方に見ていただき、当事者意識を持っていただけるよう発信してまいりたいと思います。  さて、私は現役の消防団員であり、同僚議員の中にも多くの消防団員、またOBがいらっしゃいます。火災現場に出動し、その恐ろしさを身をもって体験されている方も多いと思います。火は、人間の生活にとって欠かせない存在ですが、時に大切なものを奪ってしまう存在でもあります。火災による被害が減り、火災によって亡くなる方がゼロとなることを目指す不断の努力がなされていくことを願いまして、私の一切の質問を終わります。 ○議長(小池清 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時35分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(小池久長 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  望月義寿議員。       〔2番望月義寿君登壇〕 ◆2番(望月義寿 君)改革・創造みらい、望月義寿でございます。通告に従い質問いたします。知事並びに理事者の前向きな御答弁をお願いいたします。  最初に、新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。  感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律が改正され、2月13日に施行されました。改正感染症法では、正当な理由なく入院の勧告、措置に従わず入院しなかった場合、または入院先から逃げた場合には50万円以下の過料の対象とし、積極的疫学調査に正当な理由なく調査拒否、虚偽答弁等をした場合には30万円以下の過料の対象とする罰則規定が設けられました。  しかしながら、感染症法は、ハンセン病などの感染症患者に対して差別や偏見、強制収用が行われた悲惨な人権侵害の歴史的反省の上に立ち成立した法律であり、罰則をもって強制する考えとは一線を画するものと言えるでしょう。  日本公衆衛生学会と日本疫学会も、「感染症法改正議論に関する声明」の中で、感染症法が制定された歴史的経緯について指摘するとともに、罰則が科されることを恐れる患者が検査結果を隠したり、検査を受けなくなることにより、感染状況が把握しにくくなり、かえって感染コントロールが困難になること、国民に不安や差別を惹起することを危惧しています。  また、長野県職労衛生医療評議会だよりには、現場の保健師さんから、保健業務における入院説得はあくまでも本人との関係性の中で支援として実施するもの。そのため、罰則を科すことは保健業務に支障を来す可能性が生じることから、保健業務と切り離し、他機関が介入するべきとの意見が寄せられています。  兵庫県明石市の泉房穂市長も、いち早く、私が市長である限り罰則は適用しないと明言し、差別を助長しかねず、感染の申出すらしなくなり、目的に反する結果が懸念される間違った改正だ。歴史から何を学んでいるのか。罰則を設けた改正は間違った政治で、歴史の汚点だと強く批判しました。  感染症対策は、感染症法の前文にあるように、患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが必要であり、安易に行政罰を科すべきではないと考えます。阿部知事の御所見を伺います。  次に、患者に対する心のケアについて質問いたします。  自宅療養していた東京都の30代女性が、自分のせいで周りに迷惑をかけてしまい申し訳ないというメモを残して自殺したとの報道がありました。偏見や差別を恐れる結果の痛ましい事件であり、亡くなられた方の御冥福を心からお祈りするとともに、御遺族にお見舞い申し上げます。  入院中であれば、周りに医療従事者がいることから、目が届きやすく、心の変調にも気づきやすいと思われますが、宿泊療養者や、特に独り暮らしの自宅療養者に対しては、手厚い心のケアが必要と考えます。県では、パルスオキシメーターの無償貸与や食品、生活必需品、衛生用品の無償提供など、健康面、生活面でのケアに力を入れてくださっていますが、心のケアについてはどのように取り組んでおられますか。また、今後どのように取り組むか、御所見を伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)新型コロナウイルス感染症対策に関連して、行政罰についての考え方の御質問をいただきました。  感染症法が改正されて罰則規定が設けられたわけでありますけれども、運用によっては、かえって入院や調査への協力を得にくくなるというようなことも考えられますし、また、こうした入院勧告や積極的疫学調査への協力というものは、あくまでも相手方との信頼関係を基に実施することが基本だというふうに考えております。  そういう観点で、これまでも保健所では丁寧な説明を心がけてきました。そして、多くの皆様方にも御協力をいただいてきたわけでありますので、私としてもむやみに罰則をもって強制するものではないというふうに考えています。  今後、罰則の適用も検討しなければいけないといったような事態が生じた場合には、県民の皆様方の自由と権利を不当に侵害することにつながらないよう十分配慮しながら慎重に対応していきたいと考えております。  以上です。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)コロナ禍における自宅療養者の心のケアについてのお尋ねでございます。  新型コロナウイルスに感染した方については、自身の健康面への不安だけでなく、感染を広めてしまったかもしれないという自責の念や、また、社会からの誹謗中傷に対する不安など様々な精神的負担を抱えることが懸念されるところでございます。特に、宿泊療養者や自宅療養者は、療養中直接目が届きにくいことから、精神的な支援が重要であると認識しております。  そこで、県では、心のケア実施事業を、宿泊療養者へは施設の開設当初から、自宅療養者へは今般の第3波への対応として2月1日から実施しているところでございます。精神保健福祉センターに専用ダイヤルを設置いたしまして、保健師、精神保健福祉士等が療養者の不安に寄り添った相談を行うとともに、必要に応じて専門医療につなげることとしております。同時に、各保健福祉事務所が毎日行う自宅療養者への健康観察の際には、体調の確認と併せて、療養中の不安などを聞き取り、自宅療養者の心の変化に対しても細心の注意を払っているところでございます。  引き続き新型コロナウイルスに感染した方々に寄り添いながら、精神的な負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔2番望月義寿君登壇〕 ◆2番(望月義寿 君)信頼関係の中で患者さんに寄り添ってやっていくというのは大切なことですし、その原点をぜひ忘れずにお願いしたいと思います。また、悪質な違反者がいた場合には、刑法において、もともと威力業務妨害罪や建造物侵入罪、あるいは傷害罪、殺人罪なども適用できるわけですから、悪質なというところを取り出すのではなく、一人の患者さんとしてしっかりと向き合っていただくことをお願いするところであります。  次に、生活保護について質問いたします。  1月27日、参議院予算委員会で、立憲民主党の石橋通宏議員の生活に困窮している人に政府の政策は届いているのかという質問に対して、菅義偉首相は、最終的には生活保護という仕組みがあると答弁しました。的外れで冷たい答弁に驚愕しましたが、翌28日、生活保護の捕捉率が約2割であり、その大きな原因が扶養照会にあることから扶養照会をやめるよう求めた共産党の小池晃議員の質問に対し、田村憲久厚生労働大臣は、扶養照会は義務ではないと明言しました。  厚生労働省によると、平成29年度に行われた扶養照会の状況調査の結果、金銭的援助が可能と回答した事例は1.6%程度とのことであり、膨大な事務作業を必要とする上に結果に結びつかず、しかも保護申請をためらわせる扶養照会は、有害無益と考えます。県内の扶養照会についての現状はいかがでしょうか。また、福祉事務所が行う扶養照会はやめるべきと考えますが、扶養照会に対する県の考え方を阿部知事に伺います。  我が国においては、生活保護受給に当たり、原則自動車の保有は認められていませんが、本県のように日常生活を送る上で自動車が必要不可欠な地域については、生活上、また就労につなげるためにも、資産価値の少ない自動車を保有しながらの受給も認めるべきと考えます。土屋健康福祉部長に伺います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)生活保護申請に当たっての扶養照会の現状と県としての考え方についての御質問であります。  まず、福祉事務所における扶養照会につきましては、申請された方から御家族の状況等についてお伺いし、70歳以上の高齢者、あるいは20年以上音信不通の方といった扶養義務の履行が期待できない方を除いて実施してきております。対象となるのは、ほとんどが親または子、そして兄弟姉妹という状況であります。  大臣の「義務ではない」という国会答弁の引用があったわけでありますけれども、厚生労働省に趣旨を確認いたしましたところ、扶養照会が法律に規定されたものではないという趣旨の御発言だということであります。扶養が保護に優先するという生活保護法の基本原理の下で、国が定める実施要領に基づき必要な扶養照会は行うということであります。  ただ、この扶養照会に関連して、国では、扶養照会を要しないケースを広げようということで、かなり柔軟に御検討いただいているようでありまして、2月26日に、扶養義務の履行が期待できない扶養義務者については基本的に扶養照会を行わないという事務連絡が新たに出されています。これは、先ほど申し上げたように、扶養義務の履行が期待できないのは、これまでは20年以上音信不通という例示でありましたが、今度は10年間以上音信不通という例示で、かなり対象が広がっております。加えて、生活保持義務関係者など一定の重点的扶養能力調査対象者以外の扶養義務者については必要最小限の調査を行うということが示されています。こうした国からの事務連絡を踏まえて、我々も主体的に考えていきたいというふうに思っております。  コロナ禍で生活に大変困窮されていらっしゃる方も多い中で、我々としては、国民の権利を保障する制度だということで、これまでも県民の皆様方に積極的に活用することを御検討いただきたいと呼びかけてきました。そうした趣旨に沿うように、この運用について県としてしっかり検討していきたいと考えております。  以上です。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)生活保護における車の保有についてのお尋ねでございます。  自動車の保有は、国の実施要領におきまして、障害のある方や公共交通機関の利用が著しく困難な地域の居住者が通勤、通院等に使用する場合に限り認められております。  また、コロナ禍におきましては、一時的な収入の減少によって保護となった方について弾力的な運用により認められる場合というものはございますものの、このような場合を除きまして、基本的には、生活保護の受給に当たっては自動車の保有が認められていないのが現状でございます。  しかしながら、本県のように中山間地が多く公共交通機関が少ない地域では、生活を維持し、将来に向けて自立を図る上で自動車は必要な生活用品であり、その保有に伴う維持費の確保といった課題はございますものの、そういった課題をしっかりとクリアした上で地域の実情に応じて保有を認めることができるようにしていただきたいというふうに考えております。  県では、先月22日、コロナ禍における生活困窮者支援について国への緊急要望を行い、その中で、この点についても掲げてございます。引き続き、他県とも連携し、機会を捉えて要望してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔2番望月義寿君登壇〕 ◆2番(望月義寿 君)厚生労働省も柔軟な対応をしてきてくれているというところではありますが、まだまだ基準が厳しい面もあるかと思います。引き続き国に条件の緩和を要望していただきたいと思います。  状況の変化ということは、今回、コロナに関してさらに柔軟な対応をしていただいたわけですけれども、以前はエアコンがあると生活保護は受けられなかったという事例もあります。社会の変化、状況の変化によっても柔軟に対応していかなければ文化的な最低限度の生活は維持できませんので、ぜひこれからも引き続き働きかけをお願いしたいと思います。  最近、厚生労働省におきまして、「生活保護を申請したい方へ」というホームページに、「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。」とあり、「生活保護の申請について、よくある誤解」として、「扶養義務者の扶養は保護に優先しますが、例えば、同居していない親族に相談してからでないと申請できない、ということはありません。」と明記されています。ぜひ引き続きの御対応をお願いいたします。  次に、養育費の行政による立替え払いについて質問いたします。  明石市では、昨年7月から、市内在住の子供が養育費を滞納されたときに市が養育費を立て替えるこどもの養育費緊急支援事業を行っています。養育費について、調停調書や公正証書などの公的な取決めをしている場合に限られますが、画期的な事業だと考えます。  国も、法務省養育費不払い解消に向けた検討会議において、養育費に関しての抜本的対策を検討し、国による強制徴収制度も引き続き検討すべきとしていますが、法制化に至るには曲折が予想されます。やはり、住民に身近な地方自治体が先行実施には向いていますし、県が実施すれば全県において実現できます。  子供たちの生活保障のため、本県でも実施を検討してはいかがでしょうか。増田県民文化部長の御所見を伺います。       〔県民文化部長増田隆志君登壇〕 ◎県民文化部長(増田隆志 君)養育費の立替え払いについて御質問いただきました。  養育費につきましては、取決めがなされ、それに基づいて支払われるというわけですけれども、平成28年の全国ひとり親世帯等調査の結果によりますと、母子世帯では養育費を受給している世帯は24.3%にとどまり、前段の取決めをしている世帯も42.9%にとどまっております。まず、この最初の段階の養育費の取決めが半数以上なされていないということが受給率が低いこと、そして独り親家庭の貧困率が高い一因となっていると考えております。  また、コロナ禍にありまして、休業等により生活困窮に陥っている独り親家庭において、養育費の果たす役割はより大きくなっております。  こうした状況から、県といたしましては、独り親家庭が養育費を確実に確保し、安定した生活ができるよう、来年度から新たに弁護士による専門法律相談を実施することとしております。御質問にもございましたように、明石市の立替え払い制度も、調停調書、公正証書などによります公的な取決めがなされていることが前提となっております。県といたしましては、取決めをしていない独り親家庭が多いことに鑑み、法律相談を活用して、まずは養育費の取決めを促進してまいりたいと考えております。  また、国は、先月、法制審議会に離婚及びこれに関連する家族法制の見直しに関する諮問を行い、審議会において養育費の不払い対策等をはじめ離婚後の課題を網羅的に検討することとしているところでございます。今後、国の動きを注視するとともに、県において新たに実施する法律相談の実施状況等を踏まえて、有効な対策について検討してまいります。  以上でございます。
          〔2番望月義寿君登壇〕 ◆2番(望月義寿 君)御検討をよろしくお願いいたします。  次に、ユニバーサルデザインに基づいたサイン、標識について質問いたします。  県は、本年度、外国人観光客にも分かりやすく景観にも配慮した案内標識整備の推進を目的として、長野県案内サイン整備指針を策定しましたが、その内容はどのようなものでしょう。また、今後どのように市町村や民間事業者等に整備指針を浸透させていく予定なのか、田下建設部長に御所見を伺います。  先日、浜松市において、トイレの従業員使用可を伝えるマークを男女共用と間違え、女性トイレに入ってしまい、建造物侵入の罪に問われた男性の無罪判決が確定しました。掲示した施設側としては、利用者の方が誤解されるような表示にはしていなかったつもりとのことですが、静岡地裁浜松支部も、男女が並び立つようなマークは男女共用以外の意味を想起するのは容易ではないと認定しました。施設管理者がよかれと思って設置したサインが誤解を招いた事例ですが、こうした事例はほかにもあり得ると考えます。  くしくも、2月25日付信濃毎日新聞の29面には、ジェンダーの授業を独自に続けてきた私立高校が、トイレのサインを男女とも赤にしたとの記事がありました。趣旨は分かるのですが、サインは万人に分かりやすく設置すべきものです。  県においては、分かりやすいサインを心がけていただいていますが、本県の県庁舎や各合同庁舎の案内表示について紛らわしいという声は届いていませんでしょうか。あるとすれば変更すべきと考えますが、関総務部長の御所見を伺います。       〔建設部長田下昌志君登壇〕 ◎建設部長(田下昌志 君)長野県案内サイン整備指針の内容と今後の施策についてのお尋ねでございます。  県では、平成7年に長野県公共案内標識整備指針を策定し、主に歩行者向けの案内標識の整備を進めてまいりましたが、外国人旅行者の増加や地域ごとの独自の標識設置の動きなど社会情勢の変化に対応するため、全面的に見直しを行い、昨年6月に新たな長野県案内サイン整備指針を策定いたしました。  この整備指針では、サインの連続性、統一性を確保するとともに、景観形成などの地域性を尊重する整備方針を示しております。また、英語表記やピクトグラムの統一化、道路上への案内サインの設置手続、ユニバーサルデザインに配慮した歩行者用案内サインの仕様の明確化、民間事業者との連携などを事例集で紹介するなど、より分かりやすさを重視した内容になっております。  策定後は、各種研修会等において市町村や長野県広告塗装事業協同組合、長野県交通安全環境施設協会等の関係団体に対して説明を行い、浸透を図っております。実際に、県が重点支援する広域型DMOであるHAKUBAVALLEY TOURISMでは、この整備指針などに配慮し、案内看板や街灯などの形、素材、色彩等のデザインの基準やひな形を示した景観デザインコードを策定し、エリア内のスキー場や駅前等で統一性のある案内サインの設置が進められております。今後も、民間事業者など関係者とともに指針に沿った案内サイン整備が進むよう取り組んでまいります。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)県庁、合同庁舎における案内表示についてのお尋ねであります。  県庁、合同庁舎におきましては、庁舎の入り口やエレベーターホール等に案内表示板を設置しているほか、トイレには表示マークを掲示するなど、来庁者にできるだけ分かりやすい案内を心がけております。  御指摘のありましたトイレで男女を併記しているような表示はしておりません。これまで、県庁に来庁された方から、トイレの男女の色の表記が分かりづらいという御意見をいただいたこともございましたが、それにつきましては速やかに対応したところであります。  今後も、庁舎内の案内表示につきましては、誰にでも分かりやすい表示に努めてまいりたいと考えております。       〔2番望月義寿君登壇〕 ◆2番(望月義寿 君)それぞれの施設において統一的に分かりやすいサインをつくるという部署がないようですので、ぜひ全県統一的に分かりやすい表記になるように今後とも御配慮いただきますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ○副議長(小池久長 君)次に、中川博司議員。       〔26番中川博司君登壇〕 ◆26番(中川博司 君)改革・創造みらいの中川博司です。  まず最初に、自殺対策についてお伺いいたします。  先般、警察庁から新型コロナ禍となった2020年の全国の自殺者数の発表がありました。2003年、3万4,427人をピークに自殺者は減り続けてきましたが、コロナ禍の昨年は、前年と比較して増加に転じ、2万919人となりました。年代的には、19歳以下と20代、40代、80代の自殺者が増加しているということです。特に、女性の自殺者は前年と比較して885人増えていることや、児童生徒の自殺者が急増し、479人となっています。  そこで、長野県内において、昨年の自殺者数が増加した年代の状況と、その増加の原因をどのように分析し、今後どのような自殺対策を進めていくのか、土屋健康福祉部長にお伺いいたします。  長野県は、全国の中でも子供の自殺が多いことから、2022年「子どもの自殺ゼロ」に向けて取組を進めてきました。今年1月21日に子どもの自殺対策プロジェクトチーム会議が開催され、LINE相談窓口「ひとりで悩まないで@長野」や学校生活相談センターに寄せられた相談内容などが検討されています。悩みを抱える子供たちが相談できる場所にたどり着けること、そして相談を受ける方が親身になって相談できる体制づくりが必要です。  東日本大震災、東京電力福島第1原発事故から10年目となりますが、松本市で被災者支援を行ってきたまつもと震災支援ネットのオンライン研修会が先般ありました。宮城学院女子大学の畑山みさ子先生の講演をお聞きしました。その中で、支援者自身の精神的健康の保持の大切さが指摘されていました。その観点から、学校で子供たちの心や家庭の悩みの相談に乗っていただいているスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの皆さんに時間の制限なく安心して相談に乗っていただけるよう、臨時的な任用ではなく、常勤の正規職員として配置することを御検討いただけないか、原山教育長にお伺いします。  東京都の足立区では、窓口職員全員がゲートキーパーの研修を受け、窓口に来る市民の方に、「おせっかいかもしれませんが、何かお困りのことはありませんか。」と声をかけているそうです。そこで、市町村や県など県民と直接相対する窓口担当職員の相談体制と相談能力をアップするため、ゲートキーパー研修をこれまでも行われてきていますが、さらに強化してはどうでしょうか。また、労働雇用課や労働相談窓口、ハローワークなど雇用相談窓口においてもゲートキーパー研修を導入してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。土屋健康福祉部長にお聞きします。  現在のコロナ禍において、様々な不安を抱えている県民に対して、今の時期に改めて知事から自殺対策の呼びかけが必要ではないかと思いますが、知事のお考えをお伺いします。  次に、2050ゼロカーボンについてお伺いします。  2050年ゼロカーボンを実現するためには、この10年が勝負だと言われています。そのために、私たちは何をしなければならないのでしょうか。  新型コロナへの対応で重要なことは、危機感の共有だったと思います。気候変動への対応も、いかに危機感を世界中の人々が、そして私たちが共有できるのかということが一つのポイントだと思います。  二つ目のポイントは、一人一人の市民や企業がどう自分の問題として考え、行動を起こすことができるのかということです。新型コロナで言えば、行動変容です。一つの試みとして、くじ引き民主主義という制度があります。ヨーロッパから始まり、直近では札幌市が取り組みましたが、くじ引きで選ばれた市民がどうしたらCO2の排出を削減できるのか議論し、行政に提言を行うという取組です。  帝国データバンクの調査では、県内企業は2050年カーボンニュートラル達成について、達成可能が15.8%、困難が47%、できないが15.4%と回答している現状があります。気候変動対策として、企業の生産の在り方や県民の暮らし方などこれまでどおりではないシステムチェンジが求められていると考えますが、地球温暖化対策に向けて県民意識の醸成をどのように図っていくのか、阿部知事にお伺いします。  次に、自家用車に依存しない地域づくりについてお伺いいたします。  電気自動車や燃料電池自動車の導入に向け、急速充電設備設置支援が予算化されていますが、電気自動車の電気が化石燃料や原子力発電の電気では元も子もありません。水素をつくるためにも電力は必要です。  ちなみに、川中島水素ステーションにおいては、1回の充電に必要な56立方の水素をつくるのに3,700キロワットアワーの電力が使われていますが、これは、水力発電でつくられた電気です。ですから、再生可能エネルギーを基本とした充電設備とすべきと考えますが、環境部長の見解を伺います。  県民の生活スタイルをチェンジしていく一つの方法として、マイカーに依存しない暮らしを目指すことが重要であり、そのためには、移動手段の主体を地域公共交通にしていく必要があります。脱マイカーに向けてどのように取り組んでいくのか、環境部長にお伺いします。  地域公共交通は社会インフラであります。したがって、無料にする社会実験に取り組んではいかがか、伊藤企画振興部長にお伺いいたします。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)自殺対策について私には2点お尋ねをいただきました。  最初に、昨年の年代別自殺者数の状況と原因分析及び今後の自殺対策についてのお尋ねでございます。  厚生労働省が公表している自殺統計の令和2年の暫定値によりますと、前年より自殺者数が増加した年代は、未成年者が4人増加し12人、30歳代が20人増加し49人、80歳代以上が15人増加し54人でございました。これらの増加の原因といたしましては、例えば、未成年者では学校生活等の変化、30歳代は経済生活状況の激変、80歳代以上は感染へのおそれから来る孤独化など、新型コロナウイルスの感染拡大が一定程度影響しているものと推測されるところであります。  こういった状況を踏まえまして、早期に自殺リスクがある方を発見し、専門家等の相談につなげることが極めて重要であると考えております。大きく2点の方針の下、自殺対策を進めてまいります。1点目は、各種相談窓口や支援策を必要な人に届けるため、マスメディアやSNS等を活用した広範囲な周知広報を実施してまいります。2点目は、自殺者数が増加した未成者、成人層、高齢者などの重点的な支援対象を見定め、関係団体等と連携しながら、LINE相談窓口や弁護士等によるワンストップ相談会など、それぞれに応じた対応を強化してまいりたいというふうに考えております。  次に、県、市町村の窓口や雇用相談窓口におけるゲートキーパー研修の強化についてのお尋ねでございます。  様々な相談窓口の相談員が自殺のリスクに気づき、自殺対策の専門家につなげられるようになることは、自殺の予防対策として非常に重要であるというふうに考えております。県職員に対しては、今年度新たにゲートキーパー研修用の動画を作成し、その動画視聴による研修を広く実施いたしました。今後は、市町村に対してもこの動画を提供し、職員への研修の実施を働きかけてまいります。  また、雇用相談等に携わる方々へのゲートキーパー研修につきましては、労働雇用課と連携して、県内のハローワーク職員向けの研修等の実施について長野労働局に働きかけてまいります。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを常勤の正規職員として配置することについてのお尋ねでございます。  スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにつきましては、令和2年度はそれぞれ105名、35名を採用しておりまして、採用した各個人の状況に配慮して配置時間を定めているところであります。  スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは専門職でございまして、スクールカウンセラーについては公認心理師や臨床心理士の資格、スクールソーシャルワーカーについては社会福祉士や精神保健福祉士の資格が原則として必要ということであります。こうした専門職は、専門性の高さから、人数も限られており、医療や福祉の現場でも必要としているところでございまして、常勤の正規職員として雇用することは現状では困難というふうに考えております。しかしながら、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが自殺予防に果たす役割は極めて大きいというふうに考えておりますので、支援が必要な児童生徒に対し適時適切な対応ができるよう体制の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には2点、自殺対策とゼロカーボンについて御質問を頂戴いたしました。  まず、コロナ禍で様々な県民の皆様方が不安を抱えている中で、自殺対策の呼びかけが必要ではないかという御質問であります。私も同じ思いであります。新型コロナウイルスの影響で、生活や事業活動に多大な影響を受けて苦しんでいらっしゃる県民の皆様方が大勢いらっしゃるというふうに受け止めています。  こうした中、我々としては、そうした皆さんには、一人で悩むことがないように、必ず誰かに相談してほしいということを呼びかけていくことが必要だというふうに考えています。こうした呼びかけを我々行政が行うことももちろん必要ではあると思いますけれども、若い人たち、働いている皆さん、多くの県民の皆様方にしっかり届くようにしなければいけないというふうに考えております。教育関係者、経済界、労働界や関係する多くの皆様方にも御協力いただきながら有効な呼びかけの方法について検討した上で、私ももちろん先頭に立って実施していきたいというふうに考えております。  続きまして、ゼロカーボン、地球温暖化に関する県民意識の醸成をどう図るのかという御質問であります。  地球温暖化の話は非常に長期的であり、ある意味グローバルであり、なかなか自分事としにくい側面もあります。ただ、今待ったなしで取組が必要になっておりますし、中川議員がおっしゃるように県民の皆様方お一人お一人の身近な取組が実はゼロカーボンの実現にとっては不可欠だというふうに思っております。県民の皆様方と問題意識を共有し、そしてビジョンも共有して取り組んでいくということが極めて重要だと思っております。そのため、まず信州環境カレッジの機能を強化していきたいと思っています。ウェブ講座を開設いたしましたが、さらに学校や地域、企業向けの講座も充実していきたいというふうに思っております。  また、ゼロカーボンミーティングも今後随時開催して、多くの皆さんと一緒に取り組み、発信をしていきたいと考えております。加えて、多くの皆さんと連携しなければいけませんので、ゼロカーボン実現県民会議を設置、始動して、多くの皆さんと一緒に取り組む環境をつくっていきたいと思います。  また、やはりこれからの世代を担う若者たちの動きというのが極めて重要でありますので、そうした若者の活動を応援していきたいと思っています。COP26にはぜひ県内の若者を派遣していきたいというふうに思っております。  様々な困難を乗り越えながらゼロカーボン社会をつくっていかなければいけないわけでありますが、その基本は、やはり学びと自治だというふうに思っております。私自身も多くの皆様方と積極的に対話をさせていただき、今申し上げたような形で、学びと連携の場をさらに充実させることによって県民の皆様方とともにこのゼロカーボン社会を目指す、そうした意識の醸成に努めていきたいと考えております。  以上です。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)私には2点御質問をいただきました。  最初に、再生可能エネルギーによる充電についてというお尋ねでございます。  昨年4月に公表いたしました長野県気候危機突破方針におきまして、2050年度時点で県内の最終エネルギー消費量を上回る再生可能エネルギーを生産し、ゼロカーボンを実現することとしております。交通分野におきましても、電気自動車等への転換により、単に走行時に二酸化炭素を排出させないだけではなく、そのエネルギー源を再生可能エネルギー由来の電力とすることを前提としております。  こうした観点から、令和3年度当初予算案に計上いたしました電気自動車用急速充電設備の整備・運営事業におきましても、使用する電力を100%再生可能エネルギー由来としているところでございます。  次に、脱マイカーに向けた取組についてでございます。  ゼロカーボンという観点からマイカーを捉えた場合、電気自動車や燃料電池車などへの乗換えにより脱炭素化するだけではなく、他の交通手段へ転換することにより自動車の総走行距離、ひいてはエネルギー消費量を減少させることが必要です。  こうしたことから、ゼロカーボン戦略推進本部において取りまとめました重点施策案におきまして、公共交通、オンデマンド交通、MaaS、グリーンスローモビリティー等を地域にふさわしい形で導入し、「歩いて楽しめるまち」や「持続可能な中山間地」を実現するという方向性を示したところでございます。  脱マイカーにつきましては、信州スマートムーブ通勤ウィークやバス・電車ふれあいデーといった従来からの取組を継続するとともに、まちづくりや地域づくり、在宅勤務やウェブ会議といった働き方、さらにはDXによる全体最適化など、より広い視点から取り組んでいく必要があると考えております。  以上でございます。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)地域公共交通は社会インフラなので無料にする社会実験に取り組んではいかがかというお尋ねです。  このような実証実験は、これまで県内外で行われております。本県におきましては、昨年度、令和元年度にしなの鉄道沿線でエコ通勤促進モデル事業として実施いたしました。この事業は、沿線企業に参加を募りまして、期間中、鉄道やバスの運賃は県としなの鉄道が負担し、通勤手段を自家用車から公共交通機関へ転換を図るといったものであります。  残念ながら、期間中に東日本台風災害が発生したことなどから、参加企業数は予定には至りませんでしたけれども、参加者に対して行ったアンケートによりますと、通勤に鉄道を利用しない理由として、運賃が高いとの回答もありましたけれども、むしろ自宅から駅、それから駅から事業所間のアクセスですとか、移動中の時間が拘束されることへの抵抗感などが多く挙げられたところであります。このことから、自家用車から公共交通機関への転換には、運賃の面だけではなく、住宅や事業所の立地、通勤者の勤務形態、公共交通の状況など様々な要素を踏まえて、先ほどの環境部長の答弁にもありましたように、まちづくりなどの観点も踏まえまして、多角的にその対応策を検討していく必要があると感じております。  今後とも、事業者や市町村、それから関係部局と連携しながら、生活の移動手段の確保の面だけではなく、ゼロカーボンという意識も踏まえまして、地域公共交通の利便性向上と利用促進に取り組んでまいります。  以上です。       〔26番中川博司君登壇〕 ◆26番(中川博司 君)自殺対策ですが、夢や希望に満ちあふれているはずの若者が自殺を選択する今の社会、働き口がない中で生活保護の申請にさえたどり着けなかったり、また、80歳まで生きて最後に自ら死を選ぶ、この社会のありようが問い直されなければならないと私は思います。そして、新型コロナでも感じましたが、何人の方が亡くなったという数字ではなく、間違いなくさっきまでそこにあった命に気持ちを寄せることではないかと思います。  また、相談者が期間の定めのある雇用の場合、雇用期間が切れると相談する側に回るという笑えない話が現実にあります。ぜひ安定した身分で相談に乗れるよう御検討いただきたいと思います。  ゼロカーボンに向けてどう危機感を共有するのかと考えると、かつて信州は夏場でもクーラーが要りませんでしたが、近年ではクーラーなしでは寝られないほど暑さが夜まで残ります。また、寒い冬の信州の風物詩である御神渡りも今年は見ることができませんでした。  ただ、危機感だけでは人は疲れてしまいます。それゆえに、人は慣れてしまいます。新型コロナ禍で会議や講演会がウェブで多く開催されるようになりました。これは、移動によるCO2排出を削減することになりました。省エネ家電を使えば電気料がお得になります。  農林水産省も、CO2削減に向け、有機農業の面積を現在の40倍、100万ヘクタールまで増やす戦略を発表しました。CO2を土の中に閉じ込めることが大きな効果を生むという研究もあります。CO2削減は面白い、楽しいことだというインセンティブがあれば、より積極的に取り組むことができるということも同時に考えなければならない課題だと思います。  次に、新型コロナウイルス感染症対策の振り返りについて、最初に健康福祉部長にお伺いします。  先頃、長野県の新型コロナウイルス感染症対策総合サイトに、データで見る感染状況や感染事例が掲載されました。新型コロナウイルスが一体どんなウイルスなのか分からない1年前から比べればかなりのことが分かってきていると思います。データで見る感染状況などから、今後どのような対策を県民に促していくことが有効だと考えていますか。  二つ目に、陽性者の受入れ病床を350床から434床に増やしましたが、専門医や感染管理認定看護師は配置されていたのでしょうか。また、陽性者の受入れ病床は陰圧管理されている病床が確保されたのでしょうか。  昨年9月県議会において、健康福祉部長から、免疫力向上の視点からも、県民に一層健康づくりに取り組んでいただけるよう働きかける旨の答弁がありましたが、今後どのような観点で取り組まれていくのでしょうか。  国は1日20万件、長野県は1日7,000件の検査を行う体制を目指して、かかりつけ医での検査を可能とする取組を行ってきました。現状はどうなっているでしょうか。以上、土屋健康福祉部長にお伺いします。  次に、新型コロナウイルスワクチンの接種をめぐる差別、誹謗中傷が懸念されますが、集団免疫を獲得するため、ワクチン接種を進めるに当たっての情報の提供と同意原則、接種をしなくても差別を受けないことへの対策などについてどのように考えているのか、阿部知事にお伺いいたします。  次に、公立病院への支援について伺います。  これまでも一般質問で触れられてきていますが、新型コロナウイルス感染症に多くの公立・公的病院が対応してきました。厚生労働省の公立・公的病院の再編統合を含めた再検証は、現在どのように進められていますか。  救急医療病院の感染による救急患者の受入れ制限ということもあり、感染症指定医療機関の配置や協力病院との連携などの在り方が十分検討される必要があると思いますが、地域医療構想の中で、今般の新型コロナを踏まえた感染症医療の位置づけについて県としてはどのように考えていますか。以上2点、土屋健康福祉部長にお聞きします。  私の住む松本医療圏では、松本市立病院が感染症指定医療機関となっています。松本市立病院は、医療の逼迫度を市民に理解をしていただくことが必要と、新型コロナの陽性者を受け入れていることを当初から公表してきました。最初の頃は病院従事者に対する差別などもありましたが、公表してからは励ましの声が多く届けられ、また、マスクの寄附なども行われるようになりました。最近では、地元の住民の皆さんによる松本市立病院ありがとうスタンディングが行われたり、弁当の差し入れが行われたというニュースもありました。改めて松本市立病院がなくてはならない病院であるという認識が広がっています。  今般の新型コロナに関わっては様々な財政支援が行われてきましたが、感染症医療や2次救急医療など県民の命を守るための政策医療を担っている、こうした公立病院の経営基盤を強化するため、平時においてもより手厚い地方財政措置が講じられるべきと考えますが、いかがでしょうか。伊藤企画振興部長にお聞きします。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)順次お答えしてまいります。  最初に、新型コロナウイルス感染症対策につきまして4点御質問をいただきました。  まず、「データで見る長野県の感染状況」についてのお尋ねでございます。  2月18日に公表いたしました「データで見る長野県の感染状況」は、これまで漠然としたイメージで捉えられていた感染状況を、本県の感染事例から収集したデータに基づき、10項目の観点で分析したものでございます。一つ一つが重要な意味を持つデータ分析でございますが、例えば、陽性者は発症2日前から他者に感染させてしまう可能性があること、また、陽性者の2割でその濃厚接触者が陽性となっており、無症状病原体保有者からも感染した可能性のある事例があることといったことが明らかになったところでございます。また、高齢の方ほど重症化しやすいといった点につきましても改めて具体的なデータで確認ができたところでございます。
     こうした具体的なデータをお示しすることによって、改めてマスクの着用や手指消毒など基本的な感染防止対策の徹底や、新しい生活様式の取組、また、早期の相談、受診などを呼びかけてまいりたいと考えております。  次に、専門医等の配置と受入れ病床の陰圧管理状況についてのお尋ねでございます。  患者受入れ医療機関50病院のうち、感染症専門医は11病院、感染管理認定看護師は36病院に配置されております。専門医や認定看護師の配置にかかわらず、コロナ患者受入れ医療機関においては院内に感染対策チームを組織し、コロナ患者の対応マニュアルの作成やスタッフ教育を実施するとともに、病院内のゾーニングを行うなど、感染防止対策を整えた上で患者の受入れを行っているものと承知しております。  また、受入れ病床の陰圧管理につきましては、行われていない病床もございますが、その場合は国立感染症研究所が定めた感染予防策を踏まえ、十分な換気により対応しているものとお聞きしております。  次に、免疫力向上の視点からの健康増進施策の取組についてのお尋ねでございます。  1年余りに及ぶコロナ禍の中で、外出自粛による運動不足や、テークアウト、中食の利用の増加による食生活の変化など、県民の健康づくりへの課題といったものが生じてきているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、来年度、信州ACEプロジェクトの中でも、コロナに負けないという観点から取組を進めてまいりたいと考えております。運動不足になりがちな働き盛り世代を対象にしたウオーキングの促進、また、テークアウトや弁当、惣菜などにつきましても、健康配慮型メニューの提供といったものを拡大してまいりたいというふうに考えておりまして、企業や保健師、関係団体等と連携して進めてまいります。  健康増進政策は、県民一人一人が自らの健康課題に向き合い、自主的に取り組むとともに、そういった状況をいかに県として多くつくり出していけるのかといったことが重要であろうと考えております。コロナ禍で県民の関心が高い免疫力向上の観点も活用しながら、こうした取組に対する県民の参加を呼びかけてまいりたいというふうに考えております。  次に、かかりつけ医での検査状況についてでございます。  新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行に備え、発熱等の症状が出た場合には身近なかかりつけ医において相談や診療検査が行える体制が必要となってまいりました。そこで、医療機関や医師会など多くの皆様の御理解と御協力によりまして、10月末までに491、その後、本日現在578か所の病院、診療所を診療・検査医療機関として指定しております。これによりまして、1日最大4,700件の検査が可能となっているところでございます。  11月に入りまして、患者が急増いたしまして第3波を迎えたわけでございますが、結果的にこの体制が功を奏したというふうに考えております。11月1日から2月12日までの診療・検査医療機関の検査件数が約4万8,000件に上っております。1日の最高は1,367件を数えたところでございます。新規陽性者が急増する中にあっても適切に対応できたものと考えております。  次に、公立病院への支援について2点お尋ねをいただきました。  最初に、公立・公的病院の再検証の進捗状況についてというお尋ねでございます。  当初、厚生労働省は、公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について令和元年度中を基本として進めるよう示しておりましたが、昨年2月からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴ってその期限を先送りしております。その後、昨年12月の段階でも、具体的な工程について、新型コロナウイルス感染症への対応状況に配慮しつつ、都道府県等とも協議を行い、感染状況を見ながら改めて設定するとしているところであります。  こうした状況を受け、本県においても、新型コロナウイルス感染症対策を優先する中で各医療圏の地域医療構想調整会議については開催を見送ってきているところでございます。再検証は、各地域における関係者の議論の中で理解を得ながら丁寧に進めていくことが重要だと考えておりまして、今後新型コロナウイルス感染症が収束した段階で議論を再開する方向で検討しております。  次に、地域医療構想の中での感染症医療の位置づけについてのお尋ねでございます。  今般の新型コロナウイルス感染症での経験を踏まえますと、限られた医療資源を効率的に活用するためには、感染症患者を重点的に受け入れる医療機関と救急医療等感染症以外の一般医療を担う医療機関等との役割分担を明確にするとともに、相互の連携強化を図っていくといったことが肝要であると考えております。  こうした体制の構築につきまして、国では、新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制に関する計画を地域医療構想とは別に新たに検討していくという方針を示しております。県といたしましては、こうした国の方針を踏まえまして、新興感染症についての新たな計画については次期医療計画の策定に合わせて検討することとし、その一方で、平時の必要病床量を示した地域医療構想につきましては、これまでの基本的な枠組みを維持しつつ検討してまいりたいというふうに考えているところであります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、新型コロナウイルスワクチン接種に関連しての差別、誹謗中傷への対策について御質問をいただきました。  まず、新型コロナウイルスに伴うもの、あるいは伴わないものについても、差別や誹謗中傷は決して許されないものというふうに考えております。特に、今回のワクチン接種についても御指摘のような懸念があり、今回、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議という形で、国会の場においても、新型コロナウイルスワクチンを接種していない者に対して、差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど必要な対応を行うことが政府に対して求められている状況であります。  今回の新型コロナウイルスワクチン接種は、予防接種法の改正によりまして、臨時接種に関する特例を設けて実施されるものであります。ワクチンの接種に当たりましては、私ども県からの接種の勧奨、そして市町村長からの接種の勧奨、また接種対象者には接種を受ける努力義務というものが課せられているわけでありますけれども、しかしながら、接種するかしないかは国民の皆様方の自らの意思に委ねられているという状況であります。  そのため、一般的な誹謗中傷は許さないという呼びかけだけではなく、今回、県民の皆様方には、接種の効果、副反応等、御判断いただく上で必要な情報をしっかり提供していきたいと思っております。その上で、ワクチン接種は一人一人の意思で選択できること、そして、ワクチンを接種されない方に対する差別や誹謗中傷は絶対にあってはならないこと、こうしたことについて、あらゆる媒体、あらゆる機会を通じて市町村や関係団体とも連携しながら広く訴えかけていきたいというふうに思っております。  また、万が一不当な差別、誹謗中傷を受けた場合には、県として新型コロナ誹謗中傷等被害相談窓口を設置しておりますので、こうしたところに御相談をいただくように広く周知していきたいというふうに考えております。  以上です。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)公立病院の経営基盤を強化するため、平時においてもより手厚い地方財政が講じられるべきというお尋ねです。  公立病院は、民間では立地が困難な僻地医療ですとか、救急、周産期、小児高度医療など、政策医療、不採算医療などにおいて重要な役割を担っております。地域の医療提供体制を確保するため、これまでも、国に対しまして、自治体病院協議会や全国知事会をはじめとする地方六団体が一緒になって地方財政措置の拡充を要望してきたところであります。こうした地方の切実な声を受け、国は、公立病院に係る地方交付税措置につきまして、対象範囲の拡大や措置額の拡充を順次講じてきたところであります。  しかしながら、公立病院の経営は依然として厳しい状況にございます。県といたしましては、県民の皆様が良質な医療を継続的に受けられるよう、引き続き市町村と連携し、国に対して機会を捉えて地方財政措置の拡充を要望してまいります。  以上です。       〔26番中川博司君登壇〕 ◆26番(中川博司 君)公立・公的病院の再編統合を含めた再検証についてですが、これまでも何度か言われているとおり、急性期の問題だけではないわけです。大きな意味での地域医療構想の観点も必要だと思いますけれども、今企画振興部長から答弁がありましたように、政策医療を担っているという観点も地域医療構想の中に位置づけておく必要があるのではないか。これは、意見として申し上げておきたいというふうに思います。  それから、公立病院の支援について引き続きしっかり行っていただくよう重ねて要望をして、私の質問を終わります。 ○副議長(小池久長 君)次に、熊谷元尋議員。       〔1番熊谷元尋君登壇〕 ◆1番(熊谷元尋 君)熊谷元尋です。初めに、市町村の水道事業の広域化についてです。  今定例会に提出された令和3年度一般会計予算案には、持続可能な水道経営を確立し、安心、安全な水道水を将来にわたって供給するために、水道事業の経営基盤の強化に向けた取組を推進するための事業費3,200万円余が計上されています。事業内容は、令和2年度に実施した現状分析等に基づいて水道事業者間の広域連携策のシミュレーションを行い、効果を検証するとなっています。そこで、令和2年度に実施した現状分析及び将来推計と、水道事業の課題についてどのように分析されているのか、猿田環境部長にお伺いいたします。  県では、平成29年に長野県水道ビジョンを策定しました。その中では、持続、強靱、安全の三つの要素を備える基本目標を設定し、基本目標を実現するための具体的な方策の一つとして、広域連携の推進の必要性を示しています。  南信州地域のように、山あり谷ありの地形に加え、香川県に匹敵する広大な面積を有する地域、小規模な町村が多く、職員体制にも課題があり、水道事業を一気に統合することは難しいと考えられます。  そのような中、下伊那郡北部5町村では、水質検査を共同委託し、単独で検査を委託していたときと比べて、財政負担の軽減に加え、職員が山奥まで取水に行かなくて済むようになり、職員の負担軽減にもつながっているとお聞きします。また、先頃、豊丘村と喬木村では、災害発生時などにお互いの消火栓を接続して飲料水を確保するための協定を締結されました。このように、近隣の市町村が枠を超えて共同でできることを実施していくことが大切で、その先に広域化があると考えますが、見解を猿田環境部長にお伺いいたします。  また、県内には、広域化に適した地域がある一方、不向きな地域もあります。水道事業を取り巻く環境が厳しい中、将来を見据えて広域化や広域連携で事業の効率化を図ることは大切ですが、県は、水道ビジョンに明記されているように、事業の統合や経営の一体化などの広域化ではなく、地域の実情に応じて柔軟に広域連携を推進していくお考えであると理解してよいのか、猿田環境部長にお伺いいたします。  次に、県は、昨年10月に長野県水道事業広域連携推進協議会を設立されました。協議会には、県内77市町村のうち、構成員として53、オブザーバーとして24の市町村が参加しているようですが、このような協議会には、水道事業の将来を見据えて前向きに参加する市町村もあれば、お付き合い程度で参加する市町村もあります。協議会に出席した市町村の担当者の中には、市町村の考え方に温度差を感じている方もいるようです。そこで、構成員とオブザーバーの違いと、市町村間にある温度差をどのように埋めていくのか、猿田環境部長にお伺いいたします。  次に、今後ワーキンググループで水道施設台帳の整備と情報の共有及び人材の確保と育成について検討すると伺っています。水道施設台帳は、水道施設の適切な維持管理等に必要なものですが、町村の中には、役場にある資料が古い、簡易水道の管路が山の中を通っていて正確に分からない、人口減少に伴い水道施設が過大である、施設の老朽化で漏水が発生しているが漏水箇所を特定できないなどの事情を抱えています。県では、長野モデルと称する統一フォーマットを考えているようですが、市町村で違うシステム会社をどのように統一するのかなど課題があります。  そこで、1、水道施設台帳の整備状況と課題は何ですか。  2、長野モデルの実現に期待しますが、長野モデルとは具体的にどのような内容でしょうか。また、水道事業を取り巻く環境が厳しくなる中、持続可能な経営を維持するために、DX戦略に合わせ、水道事業のデジタル化を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。  3、小規模な町村では、水道の技術職員がいないことに加え、水道事業に関わる職員が、環境、上下水道など仕事を兼務しているのが実情です。施設台帳の整備に加え、企業会計への移行もあります。愛知県設楽町では、公営企業経営アドバイザー派遣事業を活用して国から人的な支援を受けたそうです。しかし、愛知県企業庁、長野県ですと企業局からの職員のほうが実務を知っているので本当は助かるとおっしゃっています。  総務省では、来年度、市町村の上下水道の運営を支援するために、公認会計士や経営コンサルタントなどを小規模な市町村約500か所に派遣するそうですが、この活用と併せて、県として人的支援ができないか、猿田環境部長にお伺いいたします。  次に、地域の研究会では、地域の実情に応じた広域化、広域連携を検討するそうですが、具体的に何について検討し、結果をどのように生かすのでしょうか。また、水道事業の広域化、広域連携の推進は県の責務です。国からは、令和4年度中に広域化推進プランの策定を要請されているとお聞きしますが、令和5年度以降はどのように取り組むのでしょうか。  さらに、市町村の水道事業の施設整備等に対する国の財政措置は、推進プラン、あるいは県の水道基盤強化計画に盛り込まれていないと受けられないのか、猿田環境部長にお伺いいたします。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)水道事業に関しまして順次お答え申し上げます。  最初に、本年度実施いたしました分析・推計結果についてでございます。  昨年度施行されました改正水道法におきまして、水道事業の基盤強化を図るため、都道府県に対し広域連携の推進役としての責務が明確化されました。これを受け、本県では、水道事業経営基盤強化支援事業を実施し、本年度は、水道事業者ごとの現状と将来見通しの分析等を行い、その結果を市町村等水道事業者にお示ししたところでございます。この結果によりますと、50年後は、給水人口、有収水量が大きく減少し、現行の水道料金水準を一定とした場合、収益的収入が約4割減少する見込みとなっております。  一方で、現行の施設を維持していくためには、一定の固定費が必要となる上、老朽化や耐震化への対応に現状の1.7倍のペースでの支出が必要となってまいります。こうしたことから、多くの水道事業者において、水道料金を大きく値上げしない限り損益赤字と資金不足が発生し、経営環境が悪化する見通しとなっております。  続きまして、広域連携を進めるに当たり、段階的な連携協力ではいかがかという御質問でございます。  広域連携には、業務の共同化、施設の共同化、経営の一体化、事業統合まで様々なケース、段階がございます。来年度におきましては、圏域ごとに基本的にこれら全てのケースでのシミュレーションを実施し、市町村等水道事業者にお示しする予定としてございます。これを基に、仮に事業統合や経営一体化という方向で事業者間が一致した場合であっても、広域連携を円滑に進めるためには、御指摘のような共同委託や緊急時の協力といったことから段階的に連携を強めていただくことが有効と考えております。  続きまして、地域の実情に応じた広域連携をという御質問でございます。  県では、平成29年に策定いたしました長野県水道ビジョンに基づきまして広域連携の推進を図るため、各圏域に広域連携の検討の場を設置いたしましたが、客観的なデータの不足により、具体的な連携案には至っておりません。このため、本年度行った現状分析や将来推計を基に、来年度、シミュレーションを実施して、具体的に広域連携の可能性を数値で示すことにより、各圏域において地域の課題や実情に応じた検討を進めてまいりたいと考えております。  最終的にどのような連携の形を選択するかは市町村が決めることとなりますので、市町村の意向を踏まえつつ、地域の実情に応じた連携となるよう取り組んでまいりたいと考えております。  続きまして、長野県水道事業広域連携推進協議会についてのお尋ねです。  最初に、構成員及びオブザーバーの役割、それから市町村における温度差という御指摘でございます。  この協議会は、環境部、企画振興部、企業局の連携の下、持続可能な水道事業経営の体制づくりに向け、直面する共通課題につきまして共に考え、方向性を見いだし、できることから実行に移す場とすることを目的に、県と全ての市町村等水道事業者の参画により昨年10月に設立したものでございます。  この立ち上げに当たり、参加者には、それぞれ抱えている状況に応じて、具体的な議論に参加する構成員と会議を傍聴することで有用な情報を共有するオブザーバーのいずれかの立場を選択していただきましたが、オブザーバーは希望により構成員へ移行できることともしております。  水道事業は、それぞれが置かれた地理的条件や社会的条件、水道施設の状況等の違いにより経営環境に大きな差があるため、御指摘のような温度差もあろうかと存じます。このため、市町村等水道事業者に現状分析やシミュレーション結果を丁寧に御説明することなどを通じまして、経営基盤強化の必要性について認識を深めていただけるよう取り組んでまいります。  続きまして、水道施設台帳の整備状況と課題についてのお尋ねでございます。  水道施設台帳につきましては、改正水道法によりまして、令和4年9月末までに整備することが義務づけられておりますが、昨年度末の段階で、整備済みは上水道で約6割、簡易水道で約4割という状況であり、さらにそれを電子化しているのは、上水道等で約3割、簡易水道で約2割にとどまっております。  この整備が進まない理由といたしましては、マンパワーの不足に加えまして、先ほど御指摘にありましたように、もともとの成り立ちからの台帳整備に必要となる施設情報が不足しているという点、さらに、外部委託する場合の費用の問題なども考えられます。また、台帳の電子化が進んでいないことに加え、台帳の様式が統一されていないため、異なる水道事業者間における情報の共有や相互利用を図ることができないという点も課題と考えております。  続きまして、水道施設台帳の長野モデル、水道事業のデジタル化についてのお尋ねでございます。  県内の市町村の多くが水道施設台帳の整備に苦労している実態があることから、通称「長野モデル」では、水道施設台帳の統一様式を定め、全ての市町村がこれにより電子化した情報を管理することで台帳整備業務の標準化及び施設情報の共有化を図ろうとするものでございます。  また、水道事業におきましてもDXの推進を図ることが必要であり、企業局では、本年4月にスマート化推進センターを設置し、次世代監視制御ネットワークシステムを構築して、発電所に加え、浄水場や配水池等の水道施設を一括して監視制御することを目指すとしておりまして、こうした取組を市町村とも共有してまいりたいと考えております。  続きまして、小規模な町村への人的支援についてのお尋ねでございます。  小規模な町村では、少人数の職員の皆さんが水道事業を担当している場合が多く、施設の維持管理、経営戦略の策定、さらには公営企業会計の適用などに苦慮していると承知してございます。このため、推進協議会に設置いたしましたワーキンググループにおいて専門的な人材の確保育成とそれを生かす組織体制について検討を行っているところでございます。  御質問にもありましたように、総務省では、来年度に公営企業会計の適用、経営戦略の策定等に対しアドバイザーを派遣する経営・財務マネジメント強化事業を創設する予定です。また、県におきましても、平成30年度から経営に関して市町村が公認会計士に相談できる制度を設けておりまして、公営企業会計の適用等が進まない団体に対してこれらの制度の活用について働きかけてまいりたいと考えております。  加えて、環境部、企画振興部、企業局連携による市町村支援チームが、個別課題の解決を図るために地域振興局とともに市町村に直接出向き意見交換や助言を行いますお出かけ相談や、企業局が水道事業の実務に関する担当職員からの質問、相談に回答、助言する水道事業者なんでも相談窓口などを通じて、それぞれの市町村の実情に合った支援を行ってまいります。  続きまして、地域の研究会での検討結果の活用についてのお尋ねでございます。  県全体の共通課題の検討を行う場として設置した推進協議会の下に、地域固有の課題や具体的な取組を検討する場として研究会を設置できることとしております。  現在、企業局の経営区域に関係する市町村と企業局とで構成する研究会が、長野上田地域及び松本塩尻地域に設置され、地域の実情に応じた将来的な事業フレーム、水質管理等業務の共同化などの具体的な検討が進められているところでございます。こうした検討の成果につきましては、今後、県内の他地域の議論に生かしていくとともに、水道広域化推進プランにも反映させていきたいと考えております。  最後に、広域化推進プラン策定後の取組、国の財政措置についてのお尋ねでございます。  令和4年度中に策定いたします水道広域化推進プランは、市町村の了解の下に今後検討すべき連携の範囲、形及びスケジュールを定めてまいります。令和5年度以降は、これを基に関係する市町村とともに具体的な検討を進め、法定計画であります水道基盤強化計画を策定してまいりたいと考えております。  なお、市町村水道事業に係る国の財政措置のうち、広域連携に伴い必要となる施設整備等に対する国庫補助金等の採択につきましては、この水道基盤強化計画等への位置づけが必要とされているところでございます。  以上、水道事業について御答弁申し上げましたが、清浄にして豊富低廉な水の供給という水道事業の役割が将来にわたり維持できますよう、市町村に協力して基盤強化の道を求めてまいります。  以上でございます。       〔1番熊谷元尋君登壇〕 ◆1番(熊谷元尋 君)下伊那郡天龍村では、平成29年度から3年間、県の企業局から派遣された職員が簡易水道の設計などの仕事を本当によくやってくれて非常に助かった、引き続き地域に常駐していただきたかったと感謝されています。  小規模な村にとっては、財政支援はもちろんありがたいわけですが、水道事業の施設整備には過疎債や辺地債の活用も可能なので、困ったときの人的な支援は本当に助かるとおっしゃっていることを申し添え、質問を続けます。  次に、コロナ禍における情報提供についてです。  県内における新型コロナウイルス感染症は、第3波により感染拡大が広がり、地域によっては県独自の感染警戒レベルを5まで引き上げ、飲食店に対して営業時間の短縮等を要請するとともに、医療供給体制の逼迫が懸念されるとして、2月3日まで県内全域に医療非常事態宣言が発出されました。  このような状況の中、県は、新型コロナウイルス感染者を受け入れる病床使用率について東北中南信ごとの病床逼迫度を公表してきました。しかし、この公表では地域住民に逼迫度が伝わらず、行動変容につながりにくいなどとして、10の広域圏単位での公表を求める声が県民や市町村長の中にあり、阿部知事は、市町村に対しては、10の広域圏単位での病床使用率を伝える方向で検討されているとの報道がありました。しかし、先頃、10の広域圏単位での病床使用率については市町村との情報共有はしないとする方針が明らかになりました。そこで、阿部知事はなぜ10の広域圏単位での病床使用率を市町村に限定して情報共有しようと考えられたのでしょうか。また、それがなぜ市町村と情報共有しないという方針に変わったのでしょうか。理由を阿部知事にお伺いいたします。  これまで、県は、10の広域圏単位で病床使用率を公表すると、医療機関が特定され、医療機関や医療従事者に対する誹謗中傷等につながる心配があるので、10の広域圏単位での公表には慎重である旨の説明をされてきました。そこで、医療機関や医療従事者に対する誹謗中傷の実態についてお伺いいたします。  次に、県の情報公開条例には、地方自治の本旨にのっとり、県民の知る権利を尊重することが格調高くうたわれています。県が10の広域圏単位で作成した病床使用率の情報は、県の情報公開条例に基づいて公開請求があった場合は公開すべき情報になるのではないでしょうか。公開となれば、結果として県民に公表したことになると考えますが、いかがでしょうか。  また、病床使用率の情報は、市町村に限定して提供することには意味がなく、県民にこそ情報提供されるべきで、県民との情報の共有が重要と考えますが、見解をお伺いいたします。  また、今回、病床使用率の情報は県民や市町村との共有はできなくなりましたが、情報が必要と考えている方もいらっしゃいます。情報提供の仕方や内容を工夫して何らかの形で情報提供が考えられないでしょうか。以上、土屋健康福祉部長にお伺いいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、コロナ禍における情報共有について、10広域圏の病床使用率の公表、共有についての考え方、方針について御質問をいただきました。  まず、市町村に限定して情報を共有しようというふうに考えたのはなぜかという御質問であります。県と市町村は、対策を進めていく立場であります。また、市町村においても、それぞれ個人情報保護条例等があって、情報管理をしっかり行っていただけるということもありますので、市町村とはできる限り情報を幅広く共有する中で、力を合わせてこのコロナ対策に取り組んでいきたいというふうに考えております。  そうした中で、この病床使用率でありますけれども、まず、全国的にはこれは一本で出されています。本県も当初は一本で出しておりました。ただ、長野県は広いのでそれではなかなか分かりづらいということもあり、4ブロックごとの病床逼迫度ということで公表させていただくことにいたしました。これは、ブロックごとということだけではなくて、一般病床、専門病床、あるいは中等症・軽症者用と重症者用とに分けて公表させていただいておりますので、他の都道府県と比べても非常に分かりやすく丁寧な公表に近づいてきているというふうに思っています。  そうした中で、なぜ10圏域別で出さないのかということでありますけれども、これは、健康福祉部長からもこの場で答弁させていただきましたように、例えば医療機関からは、やはり医療従事者が差別、誹謗中傷の対象となってしまうおそれ、あるいは、患者の受診控えを招くおそれ、特に医療機関が少ない圏域においてはそうした懸念が今もって示されているということがございます。  そういったことに加えて、広域的な入院調整については県が責任を持って行わせていただいておりますので、圏域ごとの病床の使用率が100%、あるいは100%を超えているような状況であっても、決して入院できないという状況ではなく、我々が責任を持って広域調整をさせていただいています。  市長会や町村会の意見交換の中でそうしたお話をさせていただいたところ、私どもの考え方に賛同する御意見をいただきました。そうしたことから、今申し上げたような理由で市町村長との共有も必要がないというふうに判断させていただいたところであります。
     今、いろんなデータを出させていただいておりますけれども、特に、医療アラート、医療非常事態宣言等については、全県の医療の状況を見て判断させていただいています。他方で、感染警戒レベルについては、長野県はそれぞれの地域ごとに感染の拡大状況が全く違う状況が出ていますので、そういう意味では、10広域ごとにアラートを出させていただき、また、場合によっては市町村ごとに感染警戒レベルを違えて対応させていただきます。  このように、全県で考えるべきもの、それから10広域、あるいは市町村ごと、さらにはもっと狭い単位で考えるべきもの、そういうものを我々はしっかり判断しながら必要な情報の共有を図りながら対策を進めてきているという状況であります。  引き続き、様々な情報を分かりやすくお伝えしていくということが重要だというふうに私も思いますので、引き続き情報提供、あるいは情報共有の在り方については状況をしっかりにらみながら考えていきたいというふうに思いますけれども、御質問については今申し上げたような考え方で対応してきているという状況であります。  以上です。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)コロナ禍における情報共有について3点お尋ねをいただきました。  まず最初に、なかなか情報の公開に踏み切れない一つの理由として、私どもが考えております誹謗中傷、その実態はどうなのかといったお尋ねでございます。  県が開設している新型コロナ誹謗中傷等被害相談窓口には、医療従事者やその親族から、コロナがうつらないように離れてくれと言われたといったような不当な差別的取扱いや誹謗中傷を受けたといった相談が寄せられているところでございます。  この1月には、私どもで受入れ病院の関係者へ聞き取り調査を行いました。そこでは、職員が地元のスーパーから来ないでくれと言われたであるとか、保育園から利用しないでくれと言われたといったような事例が報告されたところでございます。日々最前線でコロナ対応に従事していただいている皆さんにとって、この誹謗中傷への不安といったものが払拭し切れていないといった状態自体を私どもも非常に重く受け止めているところでございます。  次に、10圏域の病床使用率の情報公開についてのお尋ねでございます。  10圏域ごとの病床使用率の公表については、医療従事者に対する誹謗中傷のほか、医療機関が特定されることによる風評被害等を懸念いたしまして、その協力が得られなくなると県の病床確保、入院調整事務の遂行に支障を来すおそれがあるといったようなことも認識しているところでございます。こうしたことから、情報公開請求があった場合には、県情報公開条例の規定に基づき非公開となるものというふうに現時点で私は考えております。  また、病床使用率の情報を市町村に限定して提供すること、県民としっかりと共有、公表すべきではないかといったことにつきましては、その考え方についてただいま知事から答弁があったとおりでございますけれども、市町村や県民の皆様への情報提供につきましては目的や効果を考慮いたしまして適切に対応していく、常にそういったことを考えて対応してまいりたいというふうに思っております。  感染状況の情報共有についてでございます。年末年始以降の急激な感染拡大によりまして、医療提供体制に大きな負荷がかかり、医療非常事態宣言を発出した際に、県民の皆様に各地域の医療体制についてより具体的に知っていただくために、改善して新たに4ブロックの病床逼迫度の公表を行ったものでございます。  加えて、感染状況の情報提供として、これまで感染事例から得られたデータを整理分析いたしました「データで見る長野県の感染状況」であるとか、職場や会食といった感染が生じた特徴的な事例を取りまとめた県内感染事例、こういった必要な情報を、もちろんプライバシーにはしっかりと配慮をしつつ、県民と共有していくべく取り組んできたところでございます。  今後も、県民の皆様や市町村からの御意見をお聞きして、適時適切な方法によって情報の共有が図られるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔1番熊谷元尋君登壇〕 ◆1番(熊谷元尋 君)医療機関や医療従事者への誹謗中傷等は絶対にあってはならないと思いますが、その一方で、心配やおそれがあるということで、県民が必要とする情報が提供されないということもいけないと思います。  誹謗中傷につながる心配やおそれがあるから情報提供をしないということではなく、たとえ情報提供しても誹謗中傷につながらない長野県を、阿部知事が先頭に立ち、市町村や県民と一緒につくり上げていくことが何よりも大切だと思いますが、見解を阿部知事にお伺いし、質問を終わります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)お答え申し上げます。  情報を幾ら公表、公開しても誹謗中傷や差別が行われない社会を目指すべきということは、全く私も同感であります。例えば、私が一事業者の立場であれば、あえて情報を共有して、そうした誹謗中傷をなくしましょうという呼びかけをするということもあり得るというふうに思いますが、私どもは他者の情報を集めている立場であります。そういう意味では、先ほど来申し上げているようなメリット、デメリットをしっかり比較考慮しながら対応しなければいけないというふうに考えております。  その一方で、御指摘のように、やはり差別、誹謗中傷がない社会を目指すということは、先ほどワクチン接種に関連してもお答えしたように極めて重要だというふうに考えております。今、シトラスリボンをおつけいただいている皆様が大勢いらっしゃいますけれども、県もこの趣旨に賛同して、多くの県民の皆様方と差別、誹謗中傷の起きない社会を目指して取り組んでいますし、また、我々としては、やはり新型コロナに対する正確な知識、情報を持っていただくこと、その不安をできるだけ解消するということも差別や誹謗中傷の根っこにある部分を改善していく上では重要だと思っていますので、できるだけ丁寧な情報提供、例えば感染事例や我々の分析結果も分かりやすくお伝えする努力をさせていただいています。  引き続き、こうした努力を重ねるとともに、ココロのワクチンプロジェクト等、誹謗中傷のベースとなっている不安を御自分で振り返っていただく、そうした取組も進めていきたいというふうに考えています。  誹謗中傷の問題は非常に大きな問題であり、あってはならない。そして、いまだにそうした事象があるということは大変残念なことだというふうに思っておりますので、御指摘いただきましたように、私もしっかり問題を認識し、市町村をはじめ関係団体と連携しながら、県庁を挙げて差別や誹謗中傷がない社会づくりに取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。 ○副議長(小池久長 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時44分休憩          ──────────────────         午後3時開議 ○議長(小池清 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  小林君男議員。       〔3番小林君男君登壇〕 ◆3番(小林君男 君)本日3月1日はビキニデーです。今から67年前、ビキニ環礁でアメリカの核実験により日本のマグロ漁船17隻が被爆し、第五福竜丸乗船の久保山さんが亡くなられた大きな事件の日です。そして、今年1月22日には、全世界の多くの国々により、人類史上初めて核兵器そのものが国際法違反であるとする核兵器禁止条約が発効されました。  しかし、私たち多くの日本国民は、唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、条約に背を向ける政府の姿勢もあり、核兵器を人ごとのように捉えているのではないでしょうか。76年前の8月、あの広島と長崎の大きな雲の下で何があったのか、その恐ろしい出来事を言い伝える人々が少なくなり、被爆された方々の声は消え行く状況となっています。  当県議会も、1984年7月、唯一の戦争被爆国として核兵器の廃絶を求める義務があるとの非核平和県民宣言の決議を行っています。そして今、コロナによる世界共通の困難に対し、核兵器や武器、軍事力では人の命は守ることができないことを私たち人類は痛感いたしました。このようなときだからこそ、核兵器の恐ろしさを、戦争の悲惨さを、愚かさを、次世代に引き継いでいく責務が私たちにはあります。  そこで、まず企画振興部長に伺います。  核兵器は非人道的兵器であり、存在そのものが許されず、ゼロカーボンなどを論ずる以前の課題であることが世界の認識となりました。県は、宣言に沿って、今日まで県民に対する啓発活動を行ってきていただいていますが、県民にアピールする新たな非核平和の取組を実施していただきたいと考えます。今後の進め方を説明してください。  次に、教育長に伺います。  県として、核兵器の恐ろしさや戦争体験をきちんと次の世代に伝えていくため、系統的な小中高校での平和教育の充実が重要であると考えます。満蒙開拓平和記念館や松代大本営跡などを教材として用いるとともに、修学旅行には、広島、長崎、沖縄のそれぞれの戦禍の歴史研修を推奨するなど、さらなる平和教育の充実を図っていただきたいと考えますが、見解を伺います。  次に、公共交通について質問します。  県内の公共交通を担うバス会社は、感染症拡大以前から、高速バスや貸切りバスからの黒字と自治体などからの補助金を充当し、採算は全く合わなくても乗り合いバス路線の維持を図ってきました。また、鉄道各社も、少子化をはじめ様々な困難を克服しながら、インバウンド効果などで息をつなぎ、国や自治体などの補助金で鉄路の存続を図ってきました。  そのような中で、コロナ感染症の影響は大きく、県や沿線自治体からの支援策を今までもいただいているものの、3月期決算を迎え、各社とも大きな経営困難を抱えているとお聞きしています。県としても2月補正と新年度予算において一定の支援事業を展開していただくことになり大きな感謝と評価を申し上げますが、バスの売却に見られるように、商売道具を手放すほどの深刻な事態が進行しており、コロナ感染症収束後の一定期間まで後を引くことが予想されます。  そこで、知事に伺います。経営の危機は、国が運行継続を求めた結果であるにもかかわらず、これまでの補正などで国の施策はあまりにも少なく、実態からかけ離れた対応でありました。知事も国に対して公共交通存続を訴えてこられたと思いますが、国の施策をどのように捉えているのか、伺います。  2点目。中山間地の多い県内においては、公共交通の劣化が過疎化を助長し、さらに交通インフラの維持を困難にすることになります。公共交通網の存続は、高齢化や人口減少が進む中で、全国的にも、そして長野県の将来にとっても大変重要であり、大きな課題であります。コロナ禍を経て、コロナ後を展望する中で、経営危機に瀕しているバス会社や鉄道会社、タクシー会社などとともに県民の生活の足をどのように確保していくのか、そのビジョンをお示しいただきたいと思います。  次に、企画振興部長に伺います。  一つ目。鉄道やバス事業者は、雇用調整助成金などの恩恵もほとんどなく、借入金の返済や税などの納入が迫り、企業存続も危ぶまれるところまで来ています。県内の交通崩壊を招かないために強力な実効性のあるさらなる支援策を進めていただきたいと考えますが、見解を伺います。  二つ目。バス事業者の路線撤退が続く中で、20年ほど前から循環バスの運行を行い、実情に合わせ、3年半前からはデマンドタクシーを中心とする運行形態に移行し、住民の移動する条件整備を進めてきている6,500人規模の村があります。しかし、年ごとに経費が膨らみ、5年間で2倍となり、悲鳴を上げています。県は、新年度、計画策定支援事業にも取り組まれますが、自治体によっては自助努力も限界となっています。つぶさに実態把握をされ、早急に地域公共交通のマネジメントと、特に財政支援を図っていただくことが求められています。県内の公共交通形成網を守る施策の今後の進め方を御説明ください。       〔企画振興部長伊藤一紀君登壇〕 ◎企画振興部長(伊藤一紀 君)お答えいたします。まず、非核平和を県民にアピールする取組についてのお尋ねです。  県議会におかれましては、非核平和県民宣言の決議をはじめとしまして、累次にわたって国に対して核兵器廃絶を求める意見書を提出するなどの取組が行われてきました。これを踏まえ、県では、懸垂幕や広告塔によります広報やパネル展の開催などによりまして県民の皆様の意識啓発を行ってきたところであります。来年度、このパネル展の回数を増やす予定としております。世界で唯一の被爆国であります我が国にとりまして、核兵器の廃絶と恒久平和の実現は全国民の共通の願いであります。今後ともより効果が上がるよう、工夫を凝らしながら粘り強く取り組んでまいります。  次に、地域公共交通の存続について二つお尋ねです。  まず、交通事業者に対するさらなる支援策についてということですけれども、県では、生活や地域の移動手段を守るべく、バス、タクシーの感染防止対策や地域鉄道の安全運行支援、それから観光面からのタクシー、バス、電車の支援などを行ってきております。  今回の補正予算案には、県民生活維持のため休業せず運行継続していただいている指定地方公共機関の交通事業者に対しまして運行支援経費を計上しているところです。このほか、来年度当初予算案には、広域、基幹的なバス路線に対する赤字補填や、県有民営方式によるバス購入支援、地域鉄道の安全性向上などに要する経費についても計上しております。引き続き交通事業者の状況を的確に把握しながら必要な支援策を講じてまいります。  次に、公共交通ネットワークを守る施策の進め方についてのお尋ねです。  地域公共交通の在り方について議論する各市町村に設けられております地域公共交通会議には、県、具体的には交通政策課、それから地域振興局の職員が出席いたしまして、各市町村の状況把握や広域的な視点からの助言などを行っております。また、具体的な改善策の検討を行います市町村には県が専門家を派遣し、コミュニティーバスの運行の最適化や観光利用における利便性向上などのアドバイスを行っております。財政面におきましては、基準財政需要額の8割が特別交付税として措置されますことから、市町村にはその有効活用をお願いしているところです。  県といたしましては、広域的な観点から、地域公共交通活性化再生法の今回の改正ポイントであります移動者目線の徹底による既存サービスの改善、それから、郊外、過疎地域等における移動手段の確保のほか、MaaSの取組も推進してまいります。さらに、広域圏ごとに作成しておりますカルテを踏まえまして、市町村と一緒になって最適な公共交通ネットワークづくりに努めてまいります。  以上です。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)平和教育の充実についてのお尋ねでございます。  議員御指摘のとおり、核兵器や戦争の恐ろしさを次の世代に引き継ぎ、平和な社会を希求する気持ちを高めていく上で、戦争の爪あとに身を置いて関係者と出会い、感じ、考えを深める教育を実施することは大変意義が大きいものだというふうに考えております。  令和元年度、満蒙開拓平和記念館に県内の小中高生920人が訪れました。また、松代大本営跡には7,603人が訪れたところでございます。また、県立高校の修学旅行では、令和元年度に沖縄県に51校、広島、長崎県に22校が訪れ、過去の戦争や原爆による災禍に思いを致し、平和の尊さを学んだところでございます。コロナ禍の今年度は、小中高校で修学旅行先を県内に振り替え、93校が満蒙開拓平和記念館や松代大本営跡、また無言館を訪れているところでございます。  今後、小中高校を通じまして、戦争の記憶を伝える場を訪れ、平和について深く学ぶ体験が一層充実するよう、優れた実践事例を県内で共有する取組を進めるなど、平和教育の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私には、地域公共交通に関連して2問御質問を頂戴いたしました。  まず、国の施策をどう捉えているかという御質問であります。  初めに、交通事業者の皆様方には、このコロナウイルスの感染拡大時にあっても、県民生活を維持していくため、生活の足、産業の足を確保するために運行を継続いただいておりますこと、この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。  国においては、昨年の緊急事態宣言発出以降、その時々の状況に応じて、地方や事業者の要望も踏まえつつ、累次の補正予算で対応が行われてきました。しかしながら、一方で、交通事業者の皆さんは大変経営環境が厳しい状況でありますので、こうした支援はまだまだ十分とは言えない状況だというふうに考えています。  土曜日に全国知事会の新型コロナ対策本部会議が開かれましたが、私からも、特に地方の経済対策を中心に訴えさせていただいたところであります。とりわけ、飲食、観光、そしてこの交通事業者が大きな影響を受けているというふうに認識しています。引き続き県としても必要な支援に取り組んでいきたいというふうに考えておりますし、事業者の皆さんの声も十分にお伺いしながら対応していきたいと考えております。  続きまして、県民の移動手段の確保のビジョンについてという御質問でございます。  公共交通は、暮らしや産業を支える重要な社会インフラだというふうに考えております。県として、このコロナ後も見据えつつ、持続可能な地域公共交通を構築していくということが重要だというふうに考えています。  これまでも、交通事業者のお話を伺いながら様々な取組を行ってきました。広域交通ネットワークの形成、タクシーの利活用の促進、さらにはキャッシュレス化の推進をはじめとするICT技術の活用、こうした検討を行い、順次施策化しているところであります。  先ほどまちづくりに関連してお答え申し上げましたけれども、本県は広い県土の中で集落が分散しておりますので、都市部以上に今後の公共交通の在り方というのは重要なテーマだというふうに考えています。交通事業者と十分な連携協力を図りながら地域公共交通の確保に一層力を入れて取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔3番小林君男君登壇〕 ◆3番(小林君男 君)次に、学校教員の代替者確保について質問します。  どの子供たちにも行き届いた教育を進めるには、学校現場における教職員の働き方にゆとりと人間らしさが求められます。そのような中で、健康を害したときの休暇や、産休、育休などが気兼ねなく取得できるシステムが必要であります。  現在、このような休暇に伴う代替講師などの手配は各学校が行っていると伺っております。現場の学校長からは、講師の絶対数が不足している中で大変な負担であるとの声が多く寄せられています。講師登録者名簿だけでは見つけられず、ハローワークや民間の求人サイトにも依頼し、時には大学4年生まで声をかけている。そして、人伝えで県外の方にまでお願いをしている。決まるまでは専科の先生や教頭先生に担任をしてもらっているとの実態報告もあります。  そして、この実態の弊害として、女性教員からは、妊娠者は異動がストップされる。学校長から妊娠についてしつこく聞かれ人権侵害とも思われるなどの悲痛な声も上がっています。また、そのことから、職場での人間関係を損ねる事例の報告もあります。  そこで、教育長に4点お伺いします。  一つ目。これらを解消するためには、まず、講師登録者を増やす必要があります。文科省調査で、今年度、長野県の全本務教職員のうち講師の占める割合を示した講師比率は、小学校では7人に1人、中学校では8人に1人、専門的技能が必要な特別支援学校では5.5人に1人との結果が出され、全国でも有数の高い比率と報じられています。また、年度ごとの改善もほとんどされてきていないのが実態であります。まず、この講師比率改善が講師不足解消の前提の課題でありますが、この比率をどのように下げていかれるのか、伺います。  2点目。全国の都道府県で学校が手配を行っているのは、長野県も含めて5県にとどまっているとの調査結果も出ています。教員の長時間労働解消のためにも、子供たちの教育の質を保つためにも、学校の負担を軽くできるよう、任命権者である県教委の責任を果たすべく、岡山県などのシステムを参考としつつ、代替講師が確保しやすい仕組みづくりが今こそ必要であると考えますが、見解を伺います。  三つ目。療休などの発生を最小限にする取組も重要です。複雑化する職場環境において、教職員の適切な配置と長時間労働の解消がまずは処方箋であると学校現場から伺っています。今後の取組をお聞かせください。  四つ目。全国では、免許更新制の廃止を求める意見が各種団体から発表されています。少なくとも定年退職後は免許更新を不要とするよう国に制度改正を働きかけ、講師の登録者になっていただく環境づくりを進めていただきたいと提案しますが、見解を伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず本県の講師比率についてのお尋ねでございます。  県教育委員会としても、できる限り正規教員の配置に努め、講師比率を下げていくことは必要だというふうに認識しておりまして、採用数の確保等の取組を進めてきているところでございます。  一方で、きめ細やかな教育を進める上では、講師という勤務形態も必要であります。例えば、本県が進めている少人数学習においては、フルタイムの教員に加えまして、必要な時間数を担う講師を配置したり、また、不登校児童生徒を支援する講師、あるいは教員の妊娠に伴い授業をサポートする講師等、短時間勤務する者も任用しながら手厚い指導支援を行っているところでございます。  児童生徒数の減少に伴いまして正規の教員の定数は減らさざるを得ませんが、一方で、講師配置による手厚い指導支援は行っていく必要があるというふうに考えております。このため、講師比率がなかなか下がりづらい側面もありますが、再任用や早期退職など退職者数の動向をできる限り正確に把握し、採用数に反映させることなどによりまして、正規教員の配置比率を高めるよう努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、代替講師を確保しやすい仕組みづくりについてのお尋ねでございます。  県教育委員会では、講師等臨時的任用職員の希望者名簿を作成、随時更新しまして、学校現場に最新の情報を提供することで速やかな任用につながるよう努めているところでございます。しかし、近年、代替講師のなり手が減少しており、学校現場の負担を軽くし、代替講師が確保しやすい仕組みづくりを考える上で、そのことが一番の課題だというふうに考えております。  そうした観点から見ますと、現状の県教育委員会の取組は、ホームページへの講師募集の専用ページを開設したり、大学生を対象に講師募集のリーフレットを配布したり、あるいは、教員採用選考受験者に対して選考終了後に講師登録を依頼したりなどの取組を行ってきておりますが、これは、どちらかというと、講師を積極的に希望する者に対するアプローチであるというふうに思っております。  今後は、これに加えまして、潜在的な講師候補者の積極的な掘り起こしが必要だというふうに考えておりますので、市町村教育委員会、校長会等と連携し、例えば、産休後に退職した教員等に働きかけを行い、名簿登録者を増やすことによりまして、他県のシステムを参考にすることも含め、学校現場が講師をより確保しやすい環境をつくってまいりたいというふうに思っております。  それから、教職員の適切な配置と長時間労働の解消に向けた取組についてのお尋ねでございます。  教職員の配置につきましては、職員の健康状態も十分配慮した上で、人事異動方針にのっとって適切に行ってきているところでございます。また、子供たちへ質の高い教育を提供するため、教職員の働き方改革にも継続的に取り組んできており、例えば、一定時刻以後の留守番電話等の対応、学校閉庁日の設定など、市町村教育委員会と連携して実施してきているところであります。  令和2年12月の教職員の勤務時間調査では、1人当たりの月平均時間外勤務時間が、小中学校全体では前年度比5.2ポイント減の45時間13分でありまして、調査を始めた平成26年度から年々縮減されてきているところでございます。  県教育委員会では、県内全ての公立学校での教職員一人一人の時間外勤務時間を原則月45時間以内、年間360時間以内とすることを目指して、本年2月に学校における働き方改革推進のための方策を策定したところでございます。これらの取組などによりまして、教職員が心身とも健康で子供と向き合えるような職場づくりを推進してまいりたいというふうに考えております。  定年退職後の教員免許更新制の見直しについてのお尋ねであります。  市町村教育委員会等からも、年度中途において休職者の補充等に係る教員の確保が困難であることの要因の一つとして、任用しようとする者が教員免許状の更新をしていないために任用できないということが指摘されております。
     このため、県教育委員会では、平成30年度に、一定の教員実務経験がある60歳以上の者の教員免許更新制の適用除外につきまして内閣府に対して地方分権改革に関する提案を行うなど、教員免許更新制の見直しを国に働きかけているところであります。  また、文部科学省においても、中央教育審議会の部会で教員免許更新制をめぐる包括的な検証を行っているところでありますので、その動向にも注意を払ってまいりたいというふうに考えております。  以上であります。       〔3番小林君男君登壇〕 ◆3番(小林君男 君)この問題の根本的な解決は、学校手配ということを解消することが一番の解決の道であると思います。  教育現場において、あってはならないマタニティーハラスメントと思えるような事例が発生していることを県教委は重く受け止め、一刻も早く改善を図ることは、教育行政をつかさどる重大な責務と考えます。  児童生徒の学習権を保障する上で欠かせない第一の条件は、教職員の適正な配置です。早急に学校手配の代替講師のやり方の新たな制度の構築の実施を進めることをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ○議長(小池清 君)次に、清沢英男議員。       〔44番清沢英男君登壇〕 ◆44番(清沢英男 君)初めに、コロナ医療について伺います。  松本、塩尻、安曇野、東筑からなる松本広域圏で唯一の感染症医療機関は松本市立病院ですが、その前身は、36年前、波田町だった頃、当時の百瀬喜八郎町長が波田総合病院として現在地に移転、新築したのが始まりで、近隣の村々に働きかけ、幾ばくかの負担金を出し合って松本平西部地区の中心的医療機関としてスタートいたしました。17の診療科の中には近隣では数少ない産科があるなど、地域から大いに感謝をされてきました。2001年には、県指定の二類感染症病床6床を増設してSARSなども乗り切ってきましたが、経営的にはいま一つの状況で推移し、2010年、波田町と松本市の合併により市立波田病院に改称、2年後には今の松本市立病院になりました。  昨年末から全国的に医療機関が逼迫状況に陥ったとき、諸外国に比べて医療機関の数では圧倒的に多い日本でなぜ医療崩壊に近い状況になるのかという議論が起こりました。  民間でコロナ治療に当たっている病院は僅か18%という数字が示されたとき、国会でも松本モデルということで取り上げられた方式があります。松本医療圏の9病院では、コロナ患者の受入れをどう分担するかという事前協議を行うも、それが難航する中、松本市長がやや強引に決定したともいいますが、一種の役割分散型という形の上でスムーズな搬送を実現したことをもって松本モデルと呼ばれるのですが、そんな中、コロナ感染症患者治療は、ほかの病院よりも規模の小さい松本市立病院が最大で37床を担うことになるのです。  1月14日、知事が長野県の医療非常事態宣言を発令した記者会見に松本市立病院の中村院長さんがオンライン参加し、病床や看護師が不足する深刻な状況を訴えました。  2月に入って宣言が解除されてから私は市立病院を訪ね、状況を聞かせていただきました。12月30日に、それまでの16床から25床に増床。しかし、1週間で満床になって病床不足に。それをシャワー室などの臨時病床でしのぎ、15日からは急性期病棟を閉鎖してさらに37床に増床しましたとの説明の背景には、松本広域圏で1週間に88人の感染が確認されたことがあります。患者さんの65歳以上高齢化率は80%近くまで上がり、がんや緩和ケアなどの通常医療とコロナの両立が求められた医療スタッフの負担は想像を超えるものがありましたと、言葉では言い表せない1か月間の窮状をお聞きいたしました。  また、市内の民間大型病院にクラスターが発生し、役割分担で救急や透析患者を一手に受け持っていたこの病院の役割分を、他が分けて担わねばならなくなったことも窮状に追い打ちをかけたともいいます。宣言解除後、訪問した時点で、37床のうち6床の使用のみになったとやや安堵感もうかがえました。  知事にお聞きします。  市立病院の関係者は、昨年に比べ、外来や入院患者数のコロナによる収益の減少分は、国などからの負担金や病床の補填で大きな赤字にはならないだろうとおっしゃると同時に、スタッフへの慰労金や危険手当などはもちろんありがたいのですが、職員にとっては、一時的な手当よりも、病院の存続をあくまで維持安定させることで将来への不安を取り除いてほしいとの願いが強いということであります。  そこで、伺います。  一つに、仮に中国武漢市由来のCOVID-19が収束しても、次の感染症に備える必要があり、圏域の感染症指定病院として6床を空床確保し、ゾーン分けなどもしていかなければなりません。よって、今後も持続可能な地域医療病院であるためにも、国民、県民の命を守る空床補填につき来年度以降も続けてほしいと考えますが、いかがでしょうか。  二つに、このCOVID-19への対応を踏まえると、リスク分散型の医療体制の構築は重要で、圏域全体でどのように感染症医療が逼迫する事態を迎えても、互いに連携する中で乗り切っていくことが求められます。医療資源が限られる中、今後の医療を安定的に提供していく上で、病院間で具体的にどのような連携を図ることが必要と考えられるでしょうか。また、県にはその連携の体制構築に向けてリードしてほしいと考えますが、いかがでしょうか。  三つに、市立病院側は知事に訪ねていただいたことに感謝しておられましたが、同時に幾つかの要望を申し上げたとの由でありました。その中で、看護師の業務負担の軽減を図る上で、清掃等の外部委託に関する訴えなどがあるとのことでしたが、県としてかかる要望に対してどのように取り組んでいかれるか、お聞かせいただきたいと思います。  健康福祉部長に伺います。  1点目。感染の波が谷にあった昨年7月、長野県新型コロナウイルス感染症等対策条例、以下条例と言いますが、が施行されました。その後、第3波で県内の陽性者が連続して増え続け、医療非常事態宣言が発せられる事態になりましたが、条例には医療体制の強化もうたわれています。結果論でお聞きしますが、条例制定後、医療体制の強化、とりわけても病床の確保について、県が必要と考えるうちのどの程度が確保されるに至ったのか。また、今後につき、患者さんの病状回復期の課題、例えば、高齢の患者さんはリハビリが必要で退院までに日数を要する場合が多い等ですが、病院転院など条例や対応方針を見直す必要はないでしょうか。  2点目。ワクチン接種に関してですが、小さな村では医療従事者が少なく、スムーズな接種ができるか心配する向きもあります。また、家庭内介護を受けておられ、外出不能な皆さんをはじめ、施設に入所する高齢者など、自治体が考える通常の場所での接種が困難な方々もおられます。かかる自治体によって異なる諸課題に対して、県はどのような積極的支援をしていただけるのか、お聞かせいただきます。  また、接種時の副反応については報道で情報が流されていますが、情報が少ないウイルス変異株へのワクチン有効性の説明など、県民の皆さんが求める情報をできるだけ早く発信していただきたいが、どうでしょうか。  危機管理部長に伺います。  新型インフルエンザ等対策特別措置法、以下特措法と言いますが、この改正が行われ、県の旗振りの下県民の皆さんは行動するように、知事権限が強化されました。特措法改正による長野県の条例改正は、新設されたまん延防止等重点措置の行政罰を伴う強硬措置に見合うだけの事業者等に対する財政支援をセットにして具体的に条文化する必要があるのではないでしょうか。  また、改正法の行政罰の行使に当たっての県の態度ですが、これまでの議論を伺っていると、あくまで慎重を期す、相手に理解をしてもらうということですが、特措法改正の経緯を見るときに、政府与党の当初案の罰則は刑事罰であったものを、早期改正のために与野党協議を行い、前科のつかない行政罰に引き下げられました。ゆえに、過料を納めるだけで時短などの命令などに応じないケースが出ることも考えられます。  そこで、県はあくまで蔓延防止を主眼にして積極的に対応するのか、または法の趣旨を理解いただく中で慎重に対応するのか、県民の皆さんへの基本的姿勢をお示しいただきたいと思います。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)新型コロナウイルス感染症に関して、特に医療機関に対する支援について3点御質問を頂戴いたしました。  まず、空床補填の継続についてという御質問でございます。  県の要請に基づきまして、新型コロナウイルス感染症患者専用の病棟を設定する医療機関や、新型コロナ感染症疑い患者専用の個室を設定して新型コロナ感染症疑い患者を受け入れていただいている医療機関等に対しては、国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を活用して、受入れ病床の確保に係る補助金を交付させていただいております。感染者の発生は今後も予断を許さない状況でありますので、引き続きコロナ患者の受入れ体制を確保するための対策を行っていきたいというふうに考えております。  令和3年度当初予算案においても、こうした予算は継続的に所要額を計上させていただいております。感染症指定医療機関には、今回の新型コロナ対応で大変大きな役割を果たしていただいているというふうに思っています。今後とも経営が継続できるように十分な財源確保等を国に求めていきたいと考えております。  続きまして、病院間の連携体制の構築についてでございます。  病院間の連携につきましては、これまでも、各医療圏におきまして、保健所、医師会、病院等によります協議の枠組みの中で、役割分担、リスク分散、そして一般の医療とコロナ診療も含めた連携体制の構築が進められてきております。それぞれの地域によって状況が違いますので、地域ごとの検討が重要だというふうに考えております。  県としても、これまでも医療機関に再三いろいろなお願いをさせていただき、特に、今年に入ってから、陽性者急増の中でも緊急的にさらなる病床の確保等のお願いをさせていただき、2月の上旬までには434床までコロナ患者を受け入れていただくことができる病床を確保することができました。本当に厳しい状況の中で大変な御尽力、御協力をいただいた医療機関の皆様方には、改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。  今、私どもとして、医療機関の連携体制の中で一定の病床数は確保されたわけですが、松本市立病院から御要望いただいている部分でもありますけれども、やはり病状が改善された方の転院や一般病床への移行のところに課題があるというふうに考えています。これまで、転出、転院がスムーズに進まなかった事例もあるということでありまして、専門家懇談会の皆様方に転出、転院の目安というものを作成していただき、これを踏まえてさらなる連携の構築を行っていきたいというふうに考えております。  また、県としても、圏域ごとには保健所が医療機関と連携して新型コロナウイルス感染症の方の入院調整を行ってきておりますし、全県的には県の調整本部で医療圏を超えた広域調整を行わせていただいております。県としても、引き続き、こうして全県を視野に入れた円滑な患者の受入れを図っていきたいと考えております。  第4波が起きないようにしなければいけないと思いますが、その一方で、万が一そうした事態が生じたときに対する備えというものも万全にしていかなければいけないと思っています。医療機関の皆様方と力を合わせて、円滑な受入れ、調整ができるように取り組んでいきたいと考えております。  続きまして、看護師業務の負担軽減についての御質問をいただきました。  松本市立病院へ訪問させていただいたときに、清掃や洗濯業務について看護師の皆様方の負担を軽減するために外部委託できないかという御相談がありました。大変切実な課題と受け止めておりまして、私どもとしても、関係業界団体との調整協議を進めてきているところでございます。  まず、清掃作業につきましては、これはレッドゾーンで作業するのはなかなか難しい部分もありますけれども、しかしながら、感染症病棟での清掃が可能な事業者がいらっしゃいますので、そうした方の一覧表を県から医療機関に情報提供させていただいております。また、洗濯作業ですが、松本市立病院においては、既に事業者の御協力を得て未消毒の寝具類の外部委託が行われ、改善が図られたというふうに伺っております。  ただ、こうした取組は、特定の病院だけではなく、できるだけ広く実施できるようにしていきたいというふうに私どもも考えております。  課題として考えられますのは、やはり事業者の皆さんは不安な部分がありますし、また、安全な作業方法をどうするかという課題もあります。そして、一般の洗濯物を受け入れるのに比べてやはりコストが増加する部分もありますので、そうした負担をどうするかということも課題になっております。  今、医療機関、事業者団体の皆様方と協議を重ねているところでありますけれども、専門家の皆様方の御意見も伺いながら、こうした課題をクリアできるように取り組んで、その先の看護師の皆さん、医療機関の皆さんの負担軽減が図られるように早急に対応策を考えていきたいというふうに思っております。  私からは以上でございます。       〔健康福祉部長土屋智則君登壇〕 ◎健康福祉部長(土屋智則 君)新型コロナウイルス感染症について3点お尋ねをいただきました。  最初に、条例制定後の医療提供体制の強化についてのお尋ねでございます。  昨年7月、感染のピーク時における療養者数を485人、このうち、入院患者数を328人というふうに推計いたしまして、これに対応できるよう推計値を上回る病床数を目指しまして、7月末までに350床を確保したところでございます。  その後、第3波での患者の急増を受けまして、患者受入れ医療機関に対しまして受入れ病床のさらなる拡大を要請し、これを受けて各圏域、各医療機関において真剣にお取り組みをいただきました結果、ただいま知事も申し上げましたとおり、2月上旬までに434床を確保したところでございます。改めて御協力に感謝申し上げたいというふうに思います。  これまでの日別入院患者数でございますが、最大で251人でございます。必要な方に確実に入院医療を提供できているというふうに考えているところでございまして、病床の確保に至るこれまでの経過も踏まえまして、今後の状況を見通す中で、条例の医療提供体制の強化といった部分については現時点で対応できているというふうに考えているところでございます。  一方、対応方針につきましては、これは課題に応じて随時見直しを行っていくべきものでございますし、事実そういった対応をしてきてございます。議員御指摘の病状回復期や病院転院という点についても大変重要な課題であるということから、先般、その点について対応方針に盛り込んで取り組んでいるところでございます。  次に、ワクチン接種に当たりまして、自治体によって異なる諸課題に対して県としてどのように支援していくのかといった御質問でございます。  4月から始まる高齢者への接種に向けまして、各市町村では、接種場所や人員の確保、必要物資の調達などの準備を進めているところでございます。その中で、議員御指摘のような個別具体の課題も既にお聞きしているところであります。今後、準備が進むにつれて、さらにそういった様々な状況に対応していく必要が出てくるというふうに考えているところであります。県では、そうした個々の市町村の事情も踏まえ、寄り添ったきめ細かな支援に努めてまいりたいと考えております。  各地域振興局長の下に設置したワクチンチームでは、市町村への訪問や連絡、地域における連絡会議の開催などによりまして、そういった個々の疑問点や心配することなど具体的な課題の把握に鋭意取り組んでいるところでございます。今後、その一つ一つについて確実に解決できますよう支援してまいりたいと考えております。  次に、変異株への有効性などできるだけ早い情報発信をとの御質問でございます。  多くの県民の皆様が、変異株への有効性などワクチンの効果に関することや副反応といったことに対して、期待と不安の中でワクチン接種について大きな関心をお持ちでございます。  県では、市町村とも連携して、県民の皆様が求める情報を、必要に応じてデータなども活用しながら正確かつ分かりやすくお伝えできるように努めてまいりたいと考えております。  また、あわせて、県民の皆様の相談等に対しましても丁寧に対応できるよう、3月中旬を目途にコールセンターを設置してまいりまして、広報、発信、相談の体制を整備してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔危機管理部長竹内善彦君登壇〕 ◎危機管理部長(竹内善彦 君)2点御質問をいただきました。  まず、法改正による措置に見合う事業者等への財政支援の条例改正に関する御質問でございます。  今回の法改正では、国及び地方自治体による事業者への支援の規定が設けられましたけれども、県条例では、既に、県は生活または経済活動に影響を受ける県民及び事業者に対し経済的な支援措置を講ずるものとすると定めていることから、過料を伴うような要請等に応じた事業者等に対し支援措置を講ずるために改めて条例改正を行う必要はない状況と考えております。  次に、行政罰の行使に当たっての基本的姿勢に関する御質問でございます。  感染症対策は、県民や事業者の皆様の御理解と御協力の上に成り立っており、県民の皆様等と一丸となって進めていくべきものであり、命令や過料は最終的な手段と考えております。  過料は、命令違反をしている場合に科すことになりますけれども、現地調査や立入検査、学識経験者からの意見聴取、弁明の機会の付与などの手続を経た上で、蔓延防止のために特に必要な場合に限り命令することとされております。  過料の適用は、感染拡大防止や行政秩序の観点からやむを得ないときに限り検討すべきと考えており、運用については慎重に行っていきたいと考えております。まずは、営業時間の変更などの要請に当たっては、その趣旨や必要性を関係者に丁寧に説明し、理解、協力を得られることを基本としていきたいと考えております。  以上でございます。       〔44番清沢英男君登壇〕 ◆44番(清沢英男 君)病床の確保や病院間の連携について、病院の運営を柔軟にする地域医療連携推進法人制度が4年前に始まって、これまで全国で20の法人が都道府県知事により認定されています。  官民を問わず病院間で病床を融通したり医療従事者を配置転換できるほか、得意、不得意の分野を相互に補い、連携しながら地域医療を総合的に底上げしていくことができるといいますけれども、今般のようにコロナ医療が逼迫した場合などにも役に立つ制度の導入を検討するなどして今後に備えていただきたいと思います。  続いて、ゼロカーボンの社会づくりについて伺います。  県議会は、昨年、県とともに2050年に二酸化炭素排出量を実質ゼロにする社会づくりへの挑戦を条例にしてうたい上げ、県民の皆さんと一丸となって進もうとしています。  また、時を経ずして、国は、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと宣言。今国会には、地球温暖化対策推進法、以下温対法と言いますが、の改正案が提出されました。世界で3分の2に当たる126か国でCO2等地球温暖化効果ガス実質ゼロを表明するという奔流は、これまで、言うなれば牧歌的に考えられてきたCO2削減から、国際間の生き残り競争という時代に突入したと思うのです。  環境部長に伺います。  温対法改正案が可決されれば、地方自治体が作成しなければならない実行計画に再生可能エネルギーの導入目標の設定も求められるとします。そこで、長野県としては、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにするための工程と目標をどのように示すのか、お聞かせいただきます。  次に、太陽光、風力及び地熱の大規模発電について伺います。  中国内モンゴル自治区では、砂漠の中に原発2基分、200万キロワットの発電能力を持つメガソーラーが設置され、日本の太陽光の3分の1で発電ができるなど、効率の上で国土の狭い我が国では大規模太陽光発電には向いていないという意見があります。長野県でも、徐々に設置事業者が様々な理由で地域の同意が得にくくなるなど、県内のメガソーラーは飽和状態に近いとも思いますが、部長の所感を伺います。  風力発電については、国では洋上風力発電を設置し、40年には4,500万キロワットにする目標を立て、世界から投資を呼び込もうとしています。洋上ですから長野県は縁がないのですが、県内では、既に風力発電の建設が困難という状況になっていると思いますが、可能性についてお聞かせいただきます。  次に、地熱発電についてですが、開発に時間とコストがかかる、環境や地元との調整に困難が多い、その他諸問題を抱えるとして、地熱発電は進んできませんでした。しかし、ゼロカーボンを30年後に実現しようとすれば、難しいと思われてきたことにも挑戦すべきではないかと思うのです。  折しも、経済産業省は、今年度、地熱発電の資源量調査事業について、新規案件4件の中に栄村秋山郷地域を採択いたしました。日本の地熱資源量はアメリカやインドネシアに次いで世界3位のポテンシャルがあるとしますが、その稼働状況は10位まで順位を下げてしまいます。法令による立地の問題等は国が改めて再検討する余地があると思いますし、発電の種類、やり方も、フラッシュサイクル、ドライスチーム、バイナリーサイクルと3方式があるとのことで、必ずしも高温の熱水が必要でない場合もあります。そこで、長野県は地熱発電にノウハウを保有する企業とともに開発に向けての研究や調査に乗り出すべきと考えますが、御所見を伺います。  次に、新年度予算から伺います。  国のグリーン成長戦略と軌を一にして、エネルギーポテンシャルの活用と、信州産業が競争力を強化し革新的技術開発を可能にする支援策として、10億円規模のゼロカーボン基金事業を創設します。  その中から2億円近い予算を繰り入れる自然エネルギー地域発電推進事業があります。とりわけても補助率及び上限額を引き上げる小水力発電についてですが、事業主体はどこが担って、開発の可能性はどうなのか。また、企業局が意欲的に取り組む小規模の電源開発とのすみ分けはどうするのでしょうか。お聞かせいただきます。  また、当該基金から5,000万円を繰り入れるなどしてゼロカーボン関連技術開発プロジェクトを応援し、もって世界からESG投資を呼び込める企業の創出を目指そうとするゼロカーボン技術事業化促進事業を産業労働部で新規予算化しています。この分野にはゼロカーボンの大きな期待がかけられると思いますが、事業の概略と現状の課題について産業労働部長の御所見を伺います。  続いて、電気自動車、EV用急速充電設備整備・運営事業につき環境部長にお尋ねします。  一つは、この急速充電設備の電源は県内産の100%再生可能エネルギーによる電力としますが、これは東電や関電に渡した残りだと思いますけれども、電力、電源を分別できる根拠を伺います。  二つは、国は2035年から新しい自動車はEVにしていくという方針のようですが、その意味では、EV用充電施設の拡充は必要とも思われます。しかし、一方で、急激なEV化には様々な問題が投げかけられています。エンジン部品が不要になって雇用が30万人減少、夏場ピークの電力不足、豪雪時の立ち往生、リチウム電池バッテリーによる発火の危惧などであります。  他方、トヨタは、特許数で独走する全固体電池、航続距離1,000キロメートル、高速充電が可能という電池ですが、それを搭載した自動車の2020年代前半の商品化を目指すといいます。また、ENEOSや岩谷産業は、市街地の給油所で燃料電池車向けの水素充填サービスや建設を推進するとしていますが、政府はその民間支援に来年度予算で110億円を計上するとします。脱炭素のために今ある自動車のEV化一本の道筋にすることはせずに、HV(ハイブリッド)、PHV(プラグインハイブリッド)、FCV燃料電池の水素自動車等々、新しい技術革新や長野県の産業の在り方に沿ったゼロカーボンの車社会を構築してほしいと思いますが、部長の御所見を伺います。  続いて、企業局長に伺います。  企業局をはじめ長野県が一番得意としてきた水力発電は、FIT、固定価格買取り制度との関係もあると思いますが、今後のこれまでのような大型の電源開発と水力発電による売電の持続可能性についてお聞かせいただきます。  次に、自立分散型エネルギーの確保という観点で、企業局は、市町村との協働で、河川に設けられている砂防施設等で脱炭素の再生可能エネルギーの供給拡大として小規模発電を目指そうとしています。この事業は、地域にとってどのような便益がもたらされるとお考えか、御所見を伺いたいと思います。  次に、脱炭素で大きな期待を担うのは水素であります。現在、企業局は、水力発電で得られた電気で水の電気分解を行って水素を製造し、川中島に水素スタンドを設置し、G20で使用した水素自動車を保有していますが、その全体での拡大は懸案でもあります。  信州大学の教授らグループは、太陽光エネルギーと光触媒を用いて水を酸素と水素に分解する反応を研究しておられ、この研究は日本が世界のトップを走っているといいます。かかる技術が実を結び、比較的安易に水素製造ができれば、自動車をはじめ、製鉄などあらゆる分野で水素は期待されるようになります。新たな技術での水素の利活用の可能性について、県内唯一の水素ステーションを運営する企業局の御所見を伺います。       〔環境部長猿田吉秀君登壇〕 ◎環境部長(猿田吉秀 君)私には、ゼロカーボン社会づくりについて7点御質問を頂戴いたしました。順次お答えいたします。
     最初に、2050ゼロカーボンに向けた目標と工程についてのお尋ねでございます。  現在策定中のゼロカーボン戦略には、2050ゼロカーボン社会の実現を前提として、最初の10年間で取り組む具体策を盛り込み、中期的な実行計画としてまいります。  数値目標につきましては、二酸化炭素排出量、最終エネルギー消費量及び再生可能エネルギー生産量の三つの指標につきまして2050年度までの10年ごとの目標値をお示ししてまいります。  また、こうしたマクロの数値目標を達成する工程として、例えば、建物分野では2030年までに全ての新築建物のZEH、ZEB化を実現、再生可能エネルギー分野ではエネルギー自立地域を創出するなど、県民の皆様にとって分かりやすく成果が実感しやすい政策目標をお示ししてまいりたいと考えております。  続きまして、メガソーラーについてのお尋ねでございます。  発電能力1メガワット以上の大規模太陽光発電施設、いわゆるメガソーラーの動向につきましては、固定価格買取り制度、いわゆるFITの新規認定件数で見ますと、平成30年度18件に対し、令和元年度3件、本年度は10月末現在の値とはなりますがゼロ件という状況で、減少方向にございます。これは、土地造成、系統連系を含めたコストに対しまして売電価格の低下により事業性の確保が困難になっていること、防災、環境面も含めて、設置に適した土地の確保が難しくなっていることなどが要因だとされております。  メガソーラーが飽和状態に近いか否かにつきましては、現行のFIT制度におきましてはこの減少傾向が続くと思われますが、その一方で、平成29年度以前に認定された案件が約30件ございますので、それらの動向を見守る必要があると考えております。  続きまして、県内における風力発電の可能性についてでございます。  県内における風力発電は、FIT制度による認定件数が5件あるものの、現在のところ稼働に至る案件はございません。風力発電事業が進まない理由といたしましては、建設コスト、環境への影響といった課題のほか、県内には年間を通じて一定以上の風速がある場所が限られていることがあり、環境省の再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書、これは平成22年度になりますが、これにおきましても、本県の風力発電のポテンシャルは乏しいという結果が示されております。このため、再生可能エネルギーの拡大に向けては、ポテンシャル豊かな太陽光発電や水力発電など風力発電以外に優先して取り組んでまいります。  続きまして、地熱発電についてでございます。  地熱発電につきましては、FIT制度における県内の認定件数はこれまで1件にとどまっておりますが、このほかに、現在、諏訪市内で高温の熱水を必要としないバイナリー発電の実証実験が行われているほか、民間事業者による地熱発電のための調査が県内3か所で行われております。  発電の目的や土地の状況にもよりますが、地熱発電は民間事業者等が事業主体となることを基本とし、県は、補助事業などを通じて、調査段階から事業化まで県内事業者を支援してまいります。  続きまして、小水力発電についてでございます。  ゼロカーボン基金を活用した自然エネルギー地域発電推進事業、これは収益納付型補助金となりますが、これにつきましては、県内の中小事業者や市町村が行う地域主導の再生可能エネルギー事業を支援しております。  小水力発電は、太陽光発電などと比較し、安定的に電力供給ができることから、ベースロード電源として自立分散型のエネルギー地域の創出に寄与することや、工事費の大部分が土木工事のため、地域の事業者が関与しやすく、地域経済の活性化にも寄与することなどが期待できると考えております。  また、小水力発電は、開発地点の奥地化、小規模化が進む傾向にあり、複雑な法規制や権利関係の整理も必要となることから、小水力発電キャラバン隊などに企業局も参画し、民間事業者へ技術的な支援を行うとともに、民間による開発が困難な箇所を企業局が担うなど、官民それぞれが協調して小水力発電の開発を進めております。  次に、急速充電設備の電力電源についてでございます。  令和3年度当初予算案に計上いたしました電気自動車用急速充電設備の整備・運営事業は、県の敷地に民間事業者が急速充電設備を設置し、運営するもので、そこで使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力とすることで、電気自動車の利用環境の整備とともに再生可能エネルギーの利用拡大の一歩とするものでございます。  100%再生可能エネルギー電力の調達は設置事業者が行いますが、小売電気事業者の販売メニューから選択して購入する方法と再生可能エネルギー由来の環境価値を証書で購入する方法があり、いずれの場合も書面での確認が可能となります。  最後に、長野県産業の在り方に沿ったゼロカーボンの車社会の構築についてのお尋ねでございます。  本年1月、菅内閣総理大臣が、施政方針演説において、2035年までに新車販売で電動車100%を実現することを表明し、日本国内での自動車の電動化に向けた動きが本格化しております。また、欧州各国や中国等においても電動化の目標が表明され、中にはガソリン車の販売禁止を打ち出すところもあるなど、ゼロカーボン社会の実現に向け、自動車の電動化は世界の潮流ともなっております。  電気自動車は、エンジン関係の部品等が不要となるため、自動車用内燃機関の部品が製造品出荷額の上位を占める本県の産業にとりまして大きな影響があるものと認識しております。その一方で、駆動用モーターやインバーター等電気自動車に新たに必要となる部品を取り扱う事業者にとっては成長の好機ともなり得ます。  今後、県内事業者が世界の潮流に乗り、事業転換やイノベーションの創出等により自動車の電動化にもしっかりと対応していけるよう、産業労働部と連携して取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔産業労働部長林宏行君登壇〕 ◎産業労働部長(林宏行 君)ゼロカーボン技術事業化促進事業の概略と現状の課題についてお尋ねいただきました。  県内企業においては、これまでも、得意とする超精密加工技術等を生かし、マイクロファクトリーやデスクトップファクトリーなど生産工程の小型化、省力化に向けた先進的な取組が行われてきました。  しかし、世界的なIT企業や自動車メーカーにおいては、サプライチェーンを巻き込んで脱炭素化への対応を早急に強めつつあり、今後、ゼロカーボン社会に向けた技術革新が加速するものと予想されます。  今回の事業は、県内企業が世界の潮流に乗り遅れることのないよう、例えば、電気自動車や燃料電池に使われる部品や技術の開発、大幅な省エネ化を図る生産設備の導入などに取り組むこととしております。  しかし、こうしたゼロカーボン関連の製品や技術は、これまでにない素材の開発や革新的な技術の知見が必要であること、プロトタイプから社会実装可能に至るまでに相当の時間と資金を要することなどの課題もございます。  そこで、本事業は、テクノ財団のコーディネートの下、産学官によるコンソーシアムを形成し、国内外の企業、大学、研究機関等が保有する最先端の技術シーズと県内企業を結びつけ、プロダクトイノベーション、プロセスイノベーションを後押しいたします。さらに、ESG投資などを導けるよう伴走支援し、着実な事業化へつなげてまいります。       〔公営企業管理者小林透君登壇〕 ◎公営企業管理者(小林透 君)ゼロカーボン社会づくりについての御質問に順次お答えします。  まず、大型の電源開発と売電の持続可能性についてですが、国では、現行のいわゆるFIT制度について本年度中に抜本的に見直すこととしており、現在、再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会における論議を踏まえながら、調達価格等算定委員会において、議員御指摘のとおり、最大出力が3万キロワット未満の中小水力発電所のうち1,000キロワット以上のものについては、適用期間を20年間のままとしつつ、令和4年度以降、国に認定されたものより、現行のFIT制度から電力市場と連動した支援となるFIP制度へと移行することとされる一方で、1,000キロワット未満の小規模な水力発電所は、引き続き令和5年度まで現行の売電単価によるFIT制度の適用となる方向で検討が進んでいると承知してございます。  そこで、企業局としては、今後とも国の動向を注視しつつ、まずは1,000キロワット以上の水力発電所について、現行のFIT制度が適用される令和3年度中の認定を目指し、民間の知見を活用した公募型プロポーザル方式を独自に改良して採用することなどにより、建設に向けてスピード感を持って事業を進めてまいりたいと思います。  さらに、1,000キロワット未満の水力発電所についても、当面は令和5年度までの認定を目指して積極的に取り組むとともに、基幹水力発電所の大規模改修等についても、現行のFIT制度の適用を受けることなどにより着実に推進してまいりたいと思います。  こうしたことによりまして、企業局の発電所でFIT制度が適用される発電設備容量について、現在では全体の1.5%以下しかないものを、令和7年度時点において全体の50%以上とすることを目指し、それをもって、以降約20年間にわたる収入の安定化を図るとともに、この4月に設置するスマート化推進センターにおいて、その後も視野に入れつつ、管理運営の高度化、効率化を図ってまいりたいと思います。  次に、小規模発電開発における地域の便益についてでございますが、砂防堰堤につきましては、市町村等の御協力の下、知事部局と連携する新規電源開発地点発掘プロジェクトにおいて調査等に取り組む中で、企業局として初めて活用することとなる新しい水力発電所として建設部が管理する川上村阿知端下砂防堰堤の直下への建設に向けて現在詳細設計を行っているところであり、それに続き、南箕輪村内の大泉地点でも、砂防堰堤を活用すべく調査を進めてございます。  また、県内砂防堰堤等にいまだ多くのポテンシャルがあると認識しており、現在、国の既存インフラを活用した再エネ普及加速化検討会にも全国の地方公共団体で唯一参加しているところでございます。  企業局では、地域への貢献、地域との連携は改定後の経営戦略で目指すべきものとしているところであり、中山間地域に投資することは、地域経済の活性化になる上、関連事業として必要な道路整備等も推進することが可能となるとともに、現状では発電建設への知見が十分ではない県内業者が、企業局が発注する発電事業を請け負ったり事業へ参加することでそのノウハウを得て、本格的に発電事業へ参入することも期待できます。  これらに加えて、本年度から運転を開始した横川蛇石発電所を地域連携型水力発電所のモデルとして横展開し、地域の皆様の計画段階からの参画をはじめ、発電所名称の子供たちへの公募や、発電所とその周辺を地域の観光資源、学習の場として活用する。また、大規模災害等停電時の地域への電力供給を行うとともに、発電所施設の維持管理を地域と協働して実施したり、所在市町村が行う先端技術を活用した中山間地域等の行政サービスの高度化を技術的、財政的に支援することなどに取り組んでまいりたいと考えております。  これらにより取組を加速化することで、現在9市町村に17か所ある企業局の水力発電所を、令和7年度には事業着手ベースで20市町村、36か所と現状の倍以上にすることを新たな目標として定め、脱炭素社会づくりに向け、エネルギー自立分散型で災害に強い地域づくりに資するように努めてまいりたいと思います。  最後に、信州大学の研究等水素に関する新たな技術についてでございますが、議員御指摘の信州大学による研究については、効率よく水を水素と酸素に分解する光触媒を世界で初めて開発したものとされ、この成果が今後応用されることによりさらなる太陽光エネルギー変換効率の向上が期待できることから、ソーラー水素製造技術の実用化に向けて貢献するものとして注目を集めていると認識してございます。  こうした水素をめぐる新たな技術の研究については、国の産総研福島再生可能エネルギー研究所において産官学による共同研究等を行っているところであり、企業局といたしましても、昨年12月に、この研究所と共催で、水素の利活用等をテーマとした「再エネ×テクノブリッジin長野」を開催して、企業局の取組についてもその場で発表したところでございます。  水素は、国において有力な脱炭素エネルギーと位置づけられていることから、こうした水素の普及に貢献する新たな技術開発の動向についても引き続き注視するとともに、この2月に2台目を配置したFCVも活用しつつ、企業局の水と水力発電に由来する電気を生かした水素の製造、貯蔵についてさらに実証事業を積み重ねる中で企業局としての事業の方向性も定めてまいりたいと思います。  以上でございます。       〔44番清沢英男君登壇〕 ◆44番(清沢英男 君)脱炭素で車をどうやって動かすかという話では、新型の液体燃料e-fuelは既存の車両やガソリンスタンドが使えるため、欧州や日本のメーカーが研究開発にしのぎを削っています。また、大気中のCO2を吸い込んで地下2,000メートルで鉱物と反応させ岩にして固める地下貯留や、コンクリートに封じ込める技術など、様々な分野で脱炭素の技術開発が進んでいます。こういった脱炭素競争の中で、長野県経済がそれによって活力を生み出し、躍進することができるように、県政のしっかりとしたアシストを期待いたしまして、質問を終わります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △委員会審査報告書提出報告 ○議長(小池清 君)次に、お手元に配付いたしましたとおり、各委員長から委員会審査報告書の提出がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。       〔議案等の部「6 委員会審査報告書」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △各委員長の報告 ○議長(小池清 君)各委員長の報告案件を一括して議題といたします。  最初に、県民文化健康福祉委員長の報告を求めます。  酒井茂委員長。       〔31番酒井茂君登壇〕 ◆31番(酒井茂 君)県民文化健康福祉委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(小池清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(小池清 君)次に、産業観光企業委員長の報告を求めます。  埋橋茂人委員長。       〔24番埋橋茂人君登壇〕 ◆24番(埋橋茂人 君)産業観光企業委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(小池清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(小池清 君)次に、農政林務委員長の報告を求めます。  中川宏昌委員長。       〔28番中川宏昌君登壇〕 ◆28番(中川宏昌 君)農政林務委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(小池清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(小池清 君)次に、危機管理建設委員長の報告を求めます。  丸山大輔委員長。       〔21番丸山大輔君登壇〕 ◆21番(丸山大輔 君)危機管理建設委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(小池清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(小池清 君)次に、環境文教委員長の報告を求めます。  小山仁志委員長。       〔15番小山仁志君登壇〕 ◆15番(小山仁志 君)環境文教委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
     以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(小池清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(小池清 君)次に、総務企画警察委員長の報告を求めます。  堀内孝人委員長。       〔32番堀内孝人君登壇〕 ◆32番(堀内孝人 君)総務企画警察委員会に付託されました議案に対する審査の経過と結果について御報告申し上げます。  知事提出議案につきましては、慎重審査の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして委員長の報告といたします。 ○議長(小池清 君)委員長の報告に対して質疑がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)質疑を終局いたします。          ────────────────── ○議長(小池清 君)次に、各委員長報告の第16号「令和2年度長野県一般会計補正予算(第13号)案」及び第17号「令和2年度長野県流域下水道事業会計補正予算(第2号)案」につき一括して討論をいたします。  討論の通告がありませんので、本案を一括して採決いたします。  本案それぞれ、各委員長の報告はいずれも原案可決であります。本案それぞれ、各委員長の報告どおり決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小池清 君)御異議なしと認めます。よって、本案はそれぞれ各委員長の報告どおり可決されました。          ────────────────── ○議長(小池清 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明2日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後4時21分延会...